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帝王ジャック・ニクラス最後の「全英オープン」

試合の動向は期待通りのタイガー・チャージに沸いた2日目。その一方で、ファンの惜しみない拍手はジャック・ニクラスに注がれていた。17番でのボギーが結果的にジャックの予選落ちを決定付けてしまったが、最終18番をバーディで締めくくりイーブンパーでまとめるなど、帝王の貫禄を最後まで見せつけてくれた。

センチメンタルな雰囲気に包まれた今日のセント・アンドリュース。ニクラスの組はどのホールでも温かい拍手と「ありがとうジャック」という声援が贈られていた。その歴史的ラウンドを共にしたルーク・ドナルド、初日よりも順位が後退してしまったが、何事にも変え難い素晴らしい経験だったと語る。

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ルーク・ドナルド
「18番の橋の上で記念撮影したときは僕まで感極まってしまいました。途中から自分のプレーなんてどうでも良くなってしまって。ギャラリーの雰囲気は想像していたよりも素晴らしいもので、自分もいちファンとしてジャックを応援し、自分のプレーの集中力は無くなってしまいましたね。こんな素晴らしいラウンドをご一緒できて本当に光栄です」

トム・ワトソン
「一緒に周った私はもちろん、ニクラスのキャリアを見守ってきた多くのファンにとってセンチメンタルな一日でしたね。ニクラス程、コース内外で大きな功績を残したプレーヤーはいませんからね。彼はコースを離れてもゴルフを愛する気持ちとゲームに対する尊敬の念は忘れることがありません。私をはじめ、ゴルフをプレーするすべての人にとってニクラスは良き手本となる存在なのです」

ジャック・ニクラス
「今日は良いプレーができたと思います。ショットも良く、序盤は上手くピン手前に運べましたからね。そして5番で5メートル近くのイーグルパットを外したものの、今日初めてのバーディを奪えました。今日は全体的にプロゴルファーとしてまともなプレーができましたが、17番で予選通過のチャンスを失ってしまいました。17番は5番アイアンでグリーンを狙いましたが、ピンまで25メートル、グリーンの2~3メートル手前にショートしてしまったんです。あの時、今日初めてプロらしからぬプレーをしてしまいました。最終18番をバーディをしたときは、プロらしさを取り戻せたと思いました。

とにかく17番のセカンドショットの後は自分の感情を抑えることをやめました。何よりもギャラリーの温かい応援が嬉しかったですね。でも上がりの何ホールかはそのありがたさに絶え切れなくて、予選落ちで今日が最後になった方がいいんだよ、と息子のスティーブに話していました。

ファンの大きな声援は身に余る光栄でした。とにかく最後まで全力は尽くしましたが、3番や4番アイアンで硬いグリーンを狙ってバーディを取るのは簡単ではありません。だから勝負にならず予選落ちとなってしまったんです。今日の72は今年の自己ベストですし、良いプレーができたと思います。それでも2打差で予選落ちなら潔く引退すべきでしょう」

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