タイガー神業連発!ヒザの痛みも限界だが単独首位で最終日へ
今日のタイガー/歴史に残る伝説のミラクルショットを連発!
午後2時50分、最終組の一つ前でタイガー・ウッズはティーオフ。「ムービングデイ」と呼ばれる3日目のペアリングで一緒にプレーするのはスウェーデンのロバート・カールソン。カリフォルニア州サンディエゴの午後は20度前後までしか気温が上がらなかった。少し霧がかかる「マリーン・レイヤー」現象は、午後5時ごろまで続いたが、夕方になってやっと晴れ間が見られた。風は前日とは異なる北西の風が秒速3メートルから6メートル吹く1日となっていた。
スタートホールでダブルボギーを叩いたタイガーは、4番でもボギー。唯一前半でバーディを奪えたのは7番のパー4だけとなりフロントナインはパー35に対し2オーバーの「37」でターン。バックナインは難しい12番と14番でボギーを叩いてしまうが、13番でイーグル。上がり17番でバーディ、18番で今日2個目のイーグルを奪取し、後半は3アンダー「33」で猛チャージ。3日目は1アンダー「70」、通算3アンダーまでスコアを伸ばし単独トップで残り18ホールを戦うことになる。
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初日にダブルボギーとしてしまった1番ホールで、タイガーはまたダブルボギーを叩いてしまう。ティショットは大きく左に曲げて、2打目はグリーン右手前の深いラフ。アプローチはグリーンをオーバーし、5メートルのボギーパットを外してのダブルボギースタート。3番では手前のバンカーからパーセーブで切り抜けるものの、4番では左手前バンカーからセーブができずにボギー。通算スコアはスタート時の2アンダーから1オーバーに落としてしまう。その後、7番でピン左5メートルのバーディを沈めることができ通算イーブンに戻す。チャンスホールとなる9番のパー5では360ヤードのビッグドライブを放ち、2打目でグリーン手前のカラーに進めることができたが、ここからパターで3回費やしてしまいパーで終了。昨日5アンダー「30」とチャージをかけたフロントナインは2オーバーの「37」。
ティショットを左に曲げてしまった12番では、2打目をグリーン手前のバンカーに入れてしまいボギー。ティの位置が前日よりも60ヤード手前からプレーする(539ヤード設定)となった13番では、ティショット大きく右にプッシュアウト。タイガーのボールはギャラリーが歩くベアグラウンド状態のエリアを転がり、深いラフを避けることができた。たくさんのギャラリーに囲まれる中、タイガーは5番アイアンで2オンに成功。グリーン奥からの下り22メートル、ボールは右から左に動いていきカップの底に沈んだ。イーグルを奪取したタイガーは両手を揚げるガッツポーズを見せ歓声に応えた。続く14番ではティショットを右のラフに入れてしまいトラブル。左手前からのバンカーショットはピンを狙えることができずにボギーを叩いてしまう。15番、16番ではパーオンを逃してしまうものの1パットのパーセーブで切り抜けることができた。そして上がり2ホールでも見せ場を作ることになる。17番は左手前のラフからチップインバーディ。深いラフからのショットは狙ったところよりも強かったが、2バウンド目がピンに当たりそのままカップイン。タイガー自身も苦笑いを見せるラッキーチップインだった。15番のティショットから左膝の痛みを感じていたタイガーは、18番でスライスボールでのティショットでフェアウェイキープ。
ピンまで227ヤードで、池越えとなるセカンドショットは、5番ウッドでピン奥13メートルに2オン成功。イーグルパットは左から右に動く難しいラインだったが完璧な読みとジャストタッチのスピードでカップに沈んだ。
上がり2ホールで3つスコアを伸ばしたタイガーは、一気にトップに浮上。通算2アンダーでホールアウトしていたリー・ウエストウッド(イングランド)を抜き去った。明日はウエストウッドと同じ最終組で午後1時30分からスタートすることになっている。
膝の痛みが悪化してショットの感じが良くなかったバックナインでタイガーは「歴史に残る伝説」のミラクルショットを連発してトーナメントリーダーとなった。ラウンドのインタビューでは「たくさんの運」があったと語っていたが、2イーグルとチップインは世界中のゴルフファンの期待を遥かに上回るパフォーマンスだった。スタート前の練習ではあまりショットの感触が良くなかったと話していたタイガーは、目の前のショットに集中してスコアメークに徹した。最後の18番のティショットは膝に負担がかかりにくいスライスショットを選択した。左から右に50ヤード曲がるショットはフェアウェイを捕らえていたが、明日も左から右に曲がる球を主に使っていくのだろうか?膝の痛みは連日増してきているとタイガーは語っていたのが心配だが、残りの18ホールをうまく戦いきってくることを祈りたい。
3日目のコースセッティングは6ホール(4番、10番、11番、12番、13番、18番)でティの位置が前に移動して距離の短いセッティングになっていた。最終日はまた長いセッティングに戻ると予想される。13番のパー5は3日目539ヤードだったが一番後ろのティは614ヤード。18番もティが2つ前で530ヤード設定だった3日目だが、573ヤードになっている。唯一短くなると予想されているのは14番のパー4。通常435ヤードだが女性用のティとなる277ヤード設定で1オンを狙らわせるパー4に変更する予定があるという。後半のパー5はよほどビッグドライブを打たない限り2オンは難しくなる。
54ホールを終えて3アンダーのタイガーほか、アンダーパーはウエストウッド(-2)とメディエイト(-1)の3人のみ。優勝ラインは1アンダーぐらいになるのではと私は予想する。2アンダーグループにいる選手の最終日チャージが見られるはず。そんな中3日目を終えてトップに立つと圧倒的に強いというデータがあるタイガーは得意の横綱相撲的なゴルフでプレーするだろう。リスクを抑え確実なパールートを選んでくるはず。膝の痛みがある分、ドライバーでの強振するショットはあまり見られないのが残念だが、鍵となるのはロングパットの距離感。今週はグリーン上でキャディのスティーブ・ウィリアムス氏との会話が通常の試合よりも多く見られる。明日も今日以上の「ミラクルショット」を期待しながらタイガーのトリプルグランドスラム、メジャー14勝目を見届けたい。
★ラウンドデータ
・スコア:70(37-33)1アンダー
・イーグル:2ホール
・バーディ:2ホール
・パー:10ホール
・ボギー:3ホール
・ダブルボギー:1ホール
・フェアウェイキープ率:42.86%(14ホール中6ホール)
・パーオン率:50.00%(18ホール中9ホール)
・合計パット数:28パット
0パットホール:1回
1パットホール:6回
2パットホール:11回
3パットホール:0回
・ドライビングディスタンス(計測ホール9番と16番の平均):328ヤード
・サンドセーブ率:25%(グリーンサイドバンカーに入れた数4回、1パットセーブ1回)
・パー3:通算イーブンパー
・パー4:通算3オーバー
・パー5:通算4アンダー
(解説:アンディー和田)