感情と、自らのゲームをコントロールするタイガー・ウッズ
未来のゴルフ界
James Achenbach Column
最近はタイガー・ウッズを始め、多くのツアープロたちが驚異的な飛距離を誇るようになった。道具の進化が原因だが、規制は必要ないのか?マスターズ開催がもうすぐそこまできているが、女性問題はどうなるのだろう?そして、一体17年後(2020年)のゴルフ界はどうなっているのか!?現在のゴルフ界の動向を踏まえた上で、不届きではあるが、水晶球を覗き込むような感じでゴルフ界の未来を“誇張して”占ってみたい・・・
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・・・2020年、マスターズは世界中の誰もが注目するイベントだ。そして44歳のタイガー・ウッズは、プロとして31回目のメジャー優勝をマスターズで遂げようとしている人類が誇るスーパースター。選手としてだけでなく、42ヶ国で“タイガー・ウッズ教育施設”を設立するなど社会にも積極的に貢献。ゴルフ界ではウッズがスポンサーする“タイガー・ウッズツアー”(前ホーガンツアー、BUY.COMツアー、ネイションワイドツアー、ヘインズツアー、バイアグラツアー、などなど)まで運営している。
ウッズはこの15度目となるマスターズ制覇に照準を絞っているが、ちなみに他のメジャータイトルは、全米プロ8回、全米オープン7回、全英オープン1回(「英国の食事は合わない」という理由で全英オープン出場には消極的だった)という内容だ。
ウッズのこの偉大なる挑戦に先立ち、わざとらしい南部訛りで「マスターズでの幸運をお祈りします」と、歌手でありオーガスタのチェアマンを務めるマドンナが激励した。
それにしても時代は変わったものだ。2013年にオーガスタのパー5が全てパー4に変更されて以来、ウッズはフェアウェイウッドを使用しなくなった。ウッズは3番ウッドの替わりに“ナイキ・スティンガーユーティリティアイアン”を入れている。これはロングアイアンのユーティリティ版で、単品商品として市場では最大の売り上げを記録している売れ筋だ。ウッズはこれでコンスタントに315ヤードを飛ばす。これはフェアウェイ幅が19ヤードしかないホールで武器となっている。米ツアーは2014年にパー4とパー5において、フェアウェイを20ヤードより狭くする規定を設けたのだ。これは全てのトーナメントで採用され、再び正確性が試されることになった・・・
・・・今となっては、2000年の出来事などまるで中世を語られるかのごとくだ。ジャック・ニクラスはパーシモンウッドの使い手として知られ、その時代のこともゴルフファンの間で歴史クイズとして楽しまれている。“ゴルフ”という言葉に拘りを持つのは古き良き時代を知る人たちだけで、若者たちは“ロングボール”などの俗名でゴルフに接するようになった。今やサッカーに代わって世界で最も愛されるスポーツだ。
ツアーの平均飛距離は330ヤードを越え、2009年を境に、土地の拡張が無理なコースはパー5を全てパー4に変更していった。マスターズがパー5をなくした後、パー5と呼ぶには最低でも700ヤードが必要と米ツアーが定めた。新規コースのほとんどが8,500ヤードとなり、その距離がなければパー72の設定にできなくなっている。
過去に設計された多くのコースはパー67から68になり、時代に合うコースにするため、ホール改造(改長?)が日常的に行われている。
昨年(2019年)米ツアーでは47回もスコア50台が達成され、米女子ツアーでも11人が50台を達成した。
全米オープンのラフの長さは8インチ(約20cm)で、ピン位置もグリーン淵から2ヤードという厳しい設定が当たり前。選手の数名はスティンプメーターで18フィートという超高速グリーンに対しクレームをつける(超高速オーガスタは14フィート)が、それでも彼らツアープロはあらゆる困難を克服してしまう。
しかし我々アマチュアの平均スコアが改善されたわけではない。その理由は、ツアーで最高の使用率を誇る“バンジーボール”のせいだ。初期のバンジーボールは硬すぎて高速グリーンでは止めることができなかったが、今では最先端テクノロジーで12層を誇るボールとなり改新されている。
飛ばし屋ジェイソン・ズーバックは今年のロングドライビングコンテストで491ヤードを記録し優勝。興業主たちはゴルフ界初の500ヤードをドライブを心待ちにしているのだ。
昨年もトーナメントの来客数は減じ、ゴルフ業界の人間はこの傾向を危惧するが、スポーツイベントとしての価値は過去最高。テレビの視聴率は他を寄せ付けず、さらに視聴者の17パーセントがゴルファーであるという事実が業界を活気づけた。他の83パーセントの視聴者はというと、選手の驚異的な飛距離を見るだけで楽しめているという。これは2003年にボールの飛びすぎによる懸念が問題視されながら規制をかけなかった事により、メーカーがさらに飛ぶボールを作り出すことに精を出したためだと言われている。
時代なりの進化を遂げ、今日ではボールは高級品として扱われるようになった。1ダース135ドルでも、その進化に見合った値決めと認識されている。
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やれやれ・・・・・・
Golfweek
※これはコラムニストの創作記事で、事実とは無関係であり全てフィクションであることをご了承ください。