タイガー・ウッズのスイングをスーパースローで見る
2012年 マスターズ
期間:04/05〜04/08 場所:オーガスタナショナルGC(ジョージア州)
40位に後退のタイガー 「まだチャンスはある」
タイガー・ウッズの2日目はパッティングとアイアンショットが冴えず苦しい展開になってしまった。初日は3バーディ、3ボギーのイーブンパーだったタイガーは、2日目は2バーディに対し5ボギー。通算3オーバーはトップと8打差の40位タイというポジションで残り36ホールを戦うことになる。
初日の1番ティショットを左の林に大きく曲げてしまったタイガーは、この日のティショットは3番ウッドを選択し、左サイドにボールを放っていった。「セカンドカット」と呼ばれるセミラフからのショットはピン手前8メートルに運んでパーオン。軽く左に曲がるパットをしっかりと沈めバーディスタートを切った。2番ホールをパーで収めたあと、3番ホールではドライバーでドローボールを放ち左センターに会心のナイスショット。約70ヤードの2打目は低い弾道で右奥のピンそばに寄せていく見事なコントロールショットを放ちバーディ、理想的なスタート3ホールとした。
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ここまでは良かったが、4番でボギーを叩いてしまってから流れが変わってしまう。ティショットは風の読みを間違えてしまい、ボールは右手前のバンカーに捕まってしまう。そしてバンカーから寄せた2メートルのパーパットを信じられないほどショートしてしまい、 打ち下ろしの6番パー3ではグリーンをオーバーして2オン2パットのボギー。8番ではティショットを左にミスして2オンを狙う事ができなかったが、116ヤードからの3打目をピン傍に絡める。このバーディパットは右にプッシュアウトし、チャンスを逃がしてしまった。続く9番では、2打目を右にプッシュしてしまい不満を大きく体で表す。長いバーディトライはショートしてしまい、1.2メートルのパーパットはカップ左に蹴られ3パットのボギー。
10番はパーだったが、セカンドショットは右にプッシュアウト。続く11番でも2打目を右に押し出してしまい、バンカー越えの寄せは傾斜が影響してうまくいかず、3オン2パットのボギー。多くの選手がバーディを奪っていた13番パー5でタイガーは左のラフから果敢にフックボールで2オンを狙うものの、グリーン手前のハザードに捕まってしまった。ここはどうにか1パットのパーで切り抜けるが、ショットの修正はできずにアイアンショットのミスが続く。
15番パー5では、残り217ヤードから2オンを狙ったショットはグリーン右にあるバンカーよりも右に飛んでしまう大きなミス。3打目はバンカーに捕まってしまうが、どうにか4オン1パットのパーで切り抜けることができた。9番アイアンでグリーンを狙った16番も右にプッシュアウト。目玉状態のバンカーから2打目を寄せるのはノーチャンスで5個目のボギーを喫してしまう。16番のティショットを打った後にはクラブを地面に投げ捨てて蹴り飛ばしてしまうというシーンも見られ、フラストレーションと不満は最大限まで達していたようだった。上がりの17番、18番もグリーンを外し苦しんだが、どうにかパーセーブをすることができ、2日目は「75」というスコアで終了した。
プレー後のインタビューでタイガーは「ショートゲームの練習を重ねていくうちにフルショットのテークバックに悪い影響があったようです」と説明をしていた。「まだトーナメントは終わったわけではありません。昨年は7打差を途中で追いついた事がありますし、まず明日リーダーとの差を縮めていく事が大事です。そして最終日のフロントナインでチャージをすれば、まだチャンスはあると思います」と答え、タイガーはすぐに練習場に向かっていった。パーオンは僅かに7ホールのみという厳しいラウンド。ティショットは初日に比べて3番ウッドを多用してくる安全策に徹したものの、パッティングとアイアンへの不安要素は多い。首をかしげて素振りやスイングドリルを続けるタイガーは、真っ暗になってもドライビングレンジで居残り練習を続けていた。
ミスショットに敏感に反応して何かが違う・・・と追求しすぎて「サーチモード」に入ってしまうと、オーガスタナショナルというコースを相手に戦うことはできない。明日はショットやパットのミスに影響されない芯の強いタイガーに期待したい。そしてどんなことがあっても、クラブを蹴り上げるようなシーンは絶対に見せずに「マスターズチャンピオン」の誇りを持ってのプレーを願いたいところだ。
アンディー和田
(ゴルフチャンネル解説者)
★ラウンド データ
75(3オーバー)
フロントナイン 37(1オーバー)
バックナイン 38(2オーバー)
・バーディ: 2ホール
・パー: 11ホール
・ボギー: 5ホール
・パー3: 通算3オーバー
・パー4: 通算イーブンパー
・パー5: 通算イーブンパー
・フェアウェイキープ率: 57.1% (14ホール中 8ホール)
・パーオン率: 38.9% (18ホール中 7ホール)
・合計パット数: 27パット(3パットホール 1回)
・グリーンサイドのバンカーからの1パット率 50%(4回トライ、1パット 2回)
・ドライビングディスタンス 2ホール平均 284.5ヤード
(計測 /5番ホール、15番ホール )