三田村昌鳳が語る・・・全米オープンとは?(2)
2011年 全米オープン
期間:06/16〜06/19 場所:コングレッショナルC.C(メリーランド州)
三田村昌鳳が語る・・・全米オープンとは?(3)
限界との戦いから生まれる無限の可能性
昨年、ペブルビーチでの全米オープンに挑戦した石川遼選手に全米オープンの印象を聞いてみた。すると「僕には、まだ早いかな、と思いました」と言った。なにが早いのか、と聞き返すと「もっと体力がないと……昨年の最終日、もう足が思うように前に出なかったんです。息切らしてようやく戦い終えました」と本音を語った。
だからマスターズとは違って、全米オープンは、選手にとっても格闘技なのである。
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メジャートーナメント。特に全米オープンが面白いのは、人間の限界突破する可能性を、どんどん引き出してくれるからだ。難攻不落。アンダーパーは到底無理だった条件でも、来年、再来年ときっと優勝スコアは伸びていくはずだ。人間の持つ可能性が引き出され、問われる。その最高の舞台だからこそ、後に語り継がれる。常に、選手たちの最高の能力の一歩先を読んで、セッティングし、選手たちの素晴らしい挑戦意欲と姿勢、可能性がまのあたりに観戦できるのが全米オープンの魅力なのだと思う。(ゴルフジャーナリスト)
【大会の歴史】
全米ゴルフ協会(USGA)が主催、運営をする全米オープンは、1895年10月に36ホール競技として始まった。第1回大会は10人のプロとアマチュアゴルファー1人、合計11名が参加したという記録が残っている。1917年、1918年は第1次世界大戦、1942年から1945年までは第2次世界大戦のため大会は行われなかった。2010年で110回目の開催となる。 球聖ボビー・ジョーンズ(アマチュア)が1923,26,29,30年と4回優勝している。4勝しているのはジョーンズの他にW.アンダーソン、ベン・ホーガン、ジャック・ニクラス。日本人選手では、1980年に青木功が記録した2位が最高順位。この年はジャック・ニクラスが優勝している。
【出場資格】
プロゴルファー、または公式ハンディキャップ1.4以下のアマチュアゴルファーが対象。 エントリーフィは150米ドル。本戦からの出場を持っていない選手は予選会から出場権を獲得しなければならない。1次予選は111会場、最終予選会はイングランドと日本を含む15会場で行われ、本戦に出場する選手が決定してゆく。予選免除の選手は、5月10日時点で63名。5月24日時点で世界ランキング50位以内の選手に出場権が与えられる。本戦出場は合計156人となる。