久常涼が納得のメジャー初ボギーフリー 100位予選落ちの2年前からの進化示す
◇メジャー最終戦◇全英オープン 初日(16日)◇ロイヤルバークデールGC(イングランド)◇7223yd(パー70)
生まれ変わったパー3の15番で、久常涼が目の肥えたイングランドのギャラリーを沸かせた。実測200yd、6Iを手に左からの軽いアゲンストの風にぶつけてピン奥1mに寄せた。先に2mに寄せたアレックス・スモーリーのショットを目に焼きつけて放った一打に、「アレックスがいいショットを打ってくれたので、それに続いていいショットを打てて良かった」。9年ぶりの全英開催に向けて改修されたロイヤルバークデールの“目玉”となる難関ホールで、この日2つ目のバーディを奪い、ボギーなしの「68」で13位。23歳が2度目の全英で好スタートを切った。
「すごく良いスタートを切れたと思う。ボギーフリーが大きいなと思うし、ちょっとバタバタしたけれど耐えられて良かった」。2バーディもさることながら、風が強まった終盤もスコアを落とさぬ粘り強さを見せた。17番(パー5)でティショットが左の茂みに吸い込まれ、4打目はラフから50ydのアプローチを強いられる。それでも、ウェッジでカップをかすめるアプローチを披露してパーセーブした。
最終18番ではティショットが今度は大きく右のネイティブエリアに曲がってピンチを迎えた。すると目の前に動かせない障害物があり、救済を受けられる幸運もあった。残り200yd近い第2打をグリーン手前まで運び、ピンまで27ydのアプローチではウェッジではなくパターを選択。これをきっちりと80cmに寄せ、出場7試合目のメジャーで初となるボギーフリーのラウンドを完成させた。
久常にとって本大会はロイヤルトゥルーンGCで開催された2024年以来、2年ぶり2度目の出場。前回は「76」「75」とアンダーパーを出せず、9オーバー100位で予選落ちを喫した。当時は、米ツアー1年目の“駆け出し”だった。今年は世界最高峰の舞台で日々もまれて戻ってきた。硬い地面への対応、攻め方やリカバリーといったスキルの蓄積がある。「終盤は難しい場面が多かったけれど、いいプレーができたかな」と小さくうなずいた。
米ツアー参戦3年目の今季は、2月頭にかけて行われた「ファーマーズインシュランスオープン」でのツアー自己最高2位をはじめ、ここまでのトップ10は5度を数える。年間ポイントレース(フェデックスカップ)も日本勢では松山英樹の38位に次ぐ41位と、その存在感は年々大きくなっている。2024年「全米プロ」でのメジャーキャリアベスト18位の更新はもちろん、さらなる上位へ。「頑張ります」。23歳はシンプルな言葉に、決意を込めた。(イングランド・サウスポート/中村文香)