世界ランク1位スコッティ・シェフラーの“パタ練ウォッチ” 無駄な1球が全くない
◇米国男子◇ザ・CJカップ バイロン・ネルソン 24日(最終日)◇TPCクレイグランチ(テキサス州)◇7385yd(パー71)
最終日はスコッティ・シェフラーのパッティング練習について紹介したい。
シェフラーはショットを打つ前に必ずパッティング練習を行う。この日、クレイグランチの広大な練習グリーンで待ち構えているとキャディのテッド・スコット氏が先に現れ、何やら“パタ練”の準備を始めた。
バッグから取り出したのはエースのスパイダーパターと鏡のプレート、そしてペン。あるひとつのカップを選ぶと、歩測で距離を取りながら後退し、約2m地点で止まってつま先付近の芝にマークを入れた。
続けて鏡のプレートを2枚セット。目線と体のアライメントのチェック用だろう。セットが終わると、球を転がしてラインを確認。ボールは真っすぐ転がっていた。
続けてスライスラインを探し、同様に約2m地点に印をつける。カップ付近にはボールを3つ置き、それぞれの横に白いペンでマークをつけた。入口付近の転がりを可視化する意図とみられる。
続けてフックラインでも同じ作業を繰り返し、直線、スライス、フックと3方向の約2mが整えられていった。
準備が整ったころに、当人のシェフラーが現れた。現地時間午前11時30分、スタートの70分前だった。スコット氏からパターを受け取ると、まずは直線ラインへ。鏡でアライメントを確認し、ストローク開始。手にしていた4球は、次々とカップに吸い込まれていく。
続けて白いドットがマークされたスライスラインへ。同じく4球転がし、すべて狙い通りのドットの上を通ってカップイン。反対のフックラインでも同様だ。直線→スライス→フックと、カップ周りをグルグルと回りながら、何週か繰り返した。
驚かされるのはその精度だった。どのラインでもカップを外さず、かつ多くがカップの中央から球が消えていく。このぐらいの距離は外さないのだろうか。
ショートパットを一通り終えると、続いてはミドルレンジ。シェフラーはおもむろに大き目なマーカーをポンと放り投げ、約6~7mの距離から3球を打った。ここは“入れる”というよりタッチの確認。
マーカーを回収しては場所を変え、同じように繰り返した。最後はロングパット。起伏の大きいグリーンを利用し、敢えて段の上のカップを狙ったりして、実戦を想定した長い距離を練習していた。
打った球数はおよそ50球。おさらいすると、ショート、ミドル、ロングと段階的に距離を伸ばし、ショートでは直線と曲がるライン、そしてアライメントのチェック。ミドルパット以降は距離感を主眼においていた。
50球全てに意図があり、“無駄な1球”が全くなかった。世界ランク1位の人がここまでやるのか…とつくづく思ってしまった。シェフラーは一連のメニューを終えると、静かに打撃レンジへ移動していった。(テキサス州マッキニー/服部謙二郎)