「戦える力がなくなった」 39歳のアン・ソンジュが受け入れた“運命”
◇国内女子◇NOBUTA GROUP マスターズGCレディース 事前(21日)◇マスターズGC(兵庫)◇6520yd(パー72)
元賞金女王(2010、11、14、18年)でツアー28勝の39歳、アン・ソンジュ(韓国)が最終調整を行った。今季は韓国ツアーに参戦しており、日本ツアーは2年ぶりの出場。来年40歳になって資格を得る韓国シニアツアーを主戦場とする予定で、今大会をもって日本のレギュラーツアーから退く。
「戦える力がなくなったなっていうところがやっぱり一番(引退の理由として)強いんじゃないかな。若い時は戦えるじゃないですか。距離も飛んでいるし、実力もある。今は戦えるとしても、その実力が1日、もう2日、3日、4日まで持たないんですよ、やっぱり」
飛距離も求められつつある昨今、周りの若手がアイアンを持つ場面でユーティリティやウッドを握ることが多くなった。「コースの距離は長くなる中で私は距離が減ってくるのはハンディキャップになる。やっぱりチャンスを作れないんです」。全盛期のドライバーショットからは30yd~40ydも飛距離が落ちたという。
2021年に男児と女児の双子を出産した。コロナ禍もあり、届くと思えた永久シード(ツアー30勝)にはあと2勝届かなかった。「心残りはありますよ。もちろん。2勝できたかはわからないんですけど、1勝は一生懸命頑張ればなんとか…。後悔はある。でもそれも自分の運命だと思っている」。3週前のメジャー「日本女子オープン」では38歳の申ジエ(韓国)がツアー30勝目をあげて永久シードを獲得しているだけに、悔しさはもちろんあった。
2018年にツアー28勝目をあげた思い出の大会、場所で日本ツアーに一区切りをつける。体力も落ち、慢性的な肩痛を抱える中、痛み止めの注射を打って海を渡ってきた。
「自分が最後に優勝した場所で日本のレギュラーツアーを引退…。それができるなんてすごくラッキーな人だと思います。(試合を)戦うことはしたくないし、まあ一生懸命頑張って予選を通れれば最高じゃないかなとは思うんですけど、もし予選を落ちても、まあ楽しく。まずは2日間」と笑顔を見せた。
生涯獲得賞金は歴代6位の11億円超と日本ツアーの歴史に名を刻んだ。初日には5歳になるかわいい双子も韓国から駆けつける。母として、女子プロゴルファーとして、通算256試合目のティイングエリアに立つ。(兵庫県三木市/玉木充)