2025年 全米オープン

ビッグレフティご乱心 転がる球を打ち返すのは戦略か/全米オープン事件簿(2)

2018年 全米オープン フィル・ミケルソン
2018年大会はフィル・ミケルソンのまさかの行為が大きな騒動に

◇メジャー第3戦◇全米オープン 事前(10日)◇オークモントCC(ペンシルベニア州)◇7372yd(パー70)

プロとアマチュアの垣根なく“ゴルファー世界一”の座をかけて戦う「全米オープン」は今年で125回目を迎える。7月に第153回を控える「全英オープン」に次ぐ伝統のメジャーは、時にハードすぎると批判の的になることすらあるコースセッティングでほかの試合とは一線を画す。長い歴史において、その権威と難しさゆえに発生した“事件”もチラホラ…。記録と記憶に残る出来事を振り返る。

メジャー通算6勝を誇るビッグレフティことフィル・ミケルソン。キャリアグランドスラムへの最後の関門となって久しい全米オープンでは大会最多6度の2位を記録している。パインハーストNo.2でペイン・スチュワートに1打及ばなかった1999年、ベスページ州立公園ブラックコースでタイガー・ウッズに敗れた2002年などドラマチックな惜敗を繰り返してきた中でも、大会における“ハイライト”として定着しているのは7年前のまさかのシーンかもしれない。

ニューヨーク州シネコック・ヒルズGCでの2018年大会。傾斜のきついグリーンは吹きつける強風で乾燥して硬さを増し、どんどんスピードが上がっていく極めてタフなコンディションの3日目だった。ミケルソンは後半13番で下りのパットを打った後にカップをそれたボールを小走りで追い越し、まだ動いているボールを打ち返してしまった

止まっていない球を打つ違反で2罰打を科されたが、「早く次のホールに行きたかった。ペナルティの方が良いと判断した」というホールアウト後のコメントが火に油を注ぐ形に。打ち返す直前にパットしたボールが高速グリーンを転がり出るのを防ぐための戦略的なプレーだったと言わんばかりの開き直りに批判が殺到した。

のちに謝罪したが、LIVゴルフへの移籍前後の振る舞いも含めてファンから絶大な人気を誇ってきた男のイメージに傷がついてしまったのも事実。フィールド最多34回目の出場で歴代2番目のヘイル・アーウィンに並ぶ今大会が、2021年「全米プロゴルフ選手権」優勝の資格で出られる最後の年でもあり、本人はラストチャレンジとなる可能性を示唆している。

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