「プロゴルファーには向いていない」 大岩龍一は深い悩みを抱えながら大会最少62
◇国内メジャー◇日本オープンゴルフ選手権競技 初日(15日)◇タラオCC西C (滋賀)◇7411yd(パー70)◇晴れ(観衆1884人)
ナショナルオープンの最少ストロークに並ぶ「62」をたたき出しても、大岩龍一の表情は浮かなかった。「あまり調子が良くなくて…今週のテーマは来年の日本オープンを頑張ろうだったんですよ。良いスコアで回れましたけど…あまり興味はないんです」。1つ伸ばして迎えた4番(パー5)では、フェアウェイから4Wで3mにつけてイーグルを奪った。それでも、テンションは上がらなかったという。
ゴルフに真剣に向き合うゆえの、深い悩みを抱えている。3年前に苦しんだドライバーイップスが、今年の春に再発した。ドローだった持ち球をフェードに変えた。昨年11月に初勝利を手にした28歳にとっても、簡単な変更ではなかった。高校時代から教わる谷将貴コーチからは「順調だよ」と背中を押されている。それでも、自分の思うように球を操れない現状が許せない。不眠症にも苦しんでいる。「それでも試合に出続けなくちゃいけないのがつらい。技術的には向いていても、精神的にはたぶんプロゴルファーには向いていない。辞めたいです」。それほど、苦しさは大きい。それでも、理想のゴルフを諦めているわけではない。
だからこそ、今週は結果を求めることをいったん棚上げした。目を向けるのは、いま取り組んでいるスイングだけ。「だから日本オープンという大舞台を、僕はいま練習場にしています」と言った。この日の完成度は50%という。その中でスコアメークできたのは、「ゴルフでいいスコアを出す要素は押さえられていたんだと思います」。好スコアにも、やはり、自身を見つめる視点はどこまでも厳しい。
それも、理想を追求し続けているからこそ。「イラつきがすごいんですけど、でもそれは、試合でいい成績を出したい。でも、やりたいことができない。できないに決まっているのに、それをやろうとするわけだから、イラつくに決まっていますよね」。理想と現実の間でもがきながら、自分のゴルフと向き合っている。「明日も練習場、頑張ります」。 苦しみを抱えながらも、プロとしてコースに立つ。(滋賀県甲賀市/中村文香)
<日本オープンゴルフ選手権競技の最少ストローク「62」>
大岩龍一(2026年/滋賀・タラオCC・1R)※パー70
小平智(2015年/六甲国際ゴルフ倶楽部・2R)※パー72
佐藤信人(2002年/下関ゴルフ倶楽部・1R)※パー70
※詳細な記録が残っていない1927年、1931年、1936年、1953年、1981年大会は除く