「ほぼ何も見えてなかった」久常涼は日没間際に2オン“未遂”でバーディ締め
◇米国男子◇ザ・プレーヤーズ選手権 初日(13日)◇TPCソーグラス ザ・プレーヤーズ・スタジアムコース(フロリダ州)◇7352yd(パー72)
日没を告げるホーンはまだ鳴っていなかったが、久常涼は「もうほぼ何も見えてなかった」と振り返る。最終9番(パー5)のセカンド地点で前の組のプレーを待ち、その間に後ろを回る最終組のティショットを先に打たせる措置にも対応して時間を使っていた。残り約300ydから3Wを強振。「結果、ラッキーだなって感じでした」。グリーン奥のフェアウェイ、パターで打てる場所にボールが止まって4個目のバーディで初日を終えた。
午後2時35分と遅い時間帯のティオフ。出だし5ホールで2ボギーが先行した。最も易しい16番(パー5)で花道からきっちりと寄せて最初のバーディを奪うと、後半は粘り強いプレーを見せた。
ティショットを大きく右に曲げた1番はセカンドを木に当て、3打目も100ydが残るタフなシチュエーション。左足下がりのラフから必死にボールを上げて花道にキャリーさせると、ボールがカップに当たって勢いが弱まり、1.2mのパーパットを打つことができた。運も味方にスコアを守り、難度17番目の2番(パー5)を取りこぼすことなくバーディ。アイアンショットをピンに真っすぐ飛ばした3番(パー3)も4.5mを決めて獲った。
一時はアンダーパーまで持っていっただけに、いずれもグリーン周りから寄せた後の短い距離を外した6番と8番(パー3)のボギーは悔しい。それでも、「(8番は)ミスパットじゃなく外れている」と冷静に分析。2年目の今季はさまざまなモデルを使って向上を図ってきた中で、今週は慣れ親しんだL字パターに回帰した。「パッティングはだいぶ良くなった気がする。あとはもうちょっと、このグリーンに合わせられれば」とストロークへの手応えがにじむ。
イーブンパー「72」で暫定62位。昨年大会の初日は「70」で36位と上々の滑り出しだったが、上がり2ホールで3つ落とした自分の詰めの甘さを痛感した面もあった。「きょうも崩してるから…」と言った後で、「でも最後にバーディは獲れた。あしたはもうちょっと、頑張って伸ばしたい」。前向きな言葉で締めくくると、真っ暗になったコースのパッティンググリーンで投光器の明かりを頼りにボールを転がし始めた。(フロリダ州ポンテベドラビーチ/亀山泰宏)
