PGAツアーとLIV「再統合がベスト」 ロリー・マキロイが態度を軟化
◇米国男子◇ザ・ジェネシス招待 事前(12日)◇トリーパインズGC サウスコース(カリフォルニア州)◇7765yd(パー72)
ロリー・マキロイ(北アイルランド)が、PGAツアーと対立構造にあるLIVゴルフとの統合に前向きな姿勢を見せた。両団体は2023年6月に和解を発表しながら、1年半以上経った今も統合の合意に至っていない。
マキロイはLIVが発足した22年から2年間、PGAツアーの選手理事を務めた。新リーグおよび移籍選手に対する批判を繰り返してきたが、分断から4年目に入り「全員で(過去を)乗り越え、『よし、ここからスタートだ』と前進すべきだと思う。後ろは振り返らない。起きたことは残念だったが、団結し再統合することがベストなはずだ」と態度を軟化させた。
当初は「分断はゴルフ界にとって良くないと思った。メジャーでは両ツアーの選手がそろう。(このままでは)両ツアーが持続できないと感じた」と、54ホール競技や団体戦など、LIVの目新しいコンセプトに、時に強い言葉で疑問を投げかけていた。その後、主力選手を引き抜かれたPGAツアーはLIVに負けじと賞金額を増やし、少数のトップ選手によるシグニチャーイベント(昇格大会)を実施。マネーゲームに拍車がかかり、昨年1月には投資グループ「ストラテジックスポーツグループ」(SSG)と提携し最大で30億ドルを調達した。
現在までの流れについて、マキロイは「PGAツアーに留まろうが、離れようが、僕たちは恩恵を受けた。今週(ザ・ジェネシス招待)は2000万ドルがかかった試合を戦える。LIVが登場しなければ起こりえなかった」と選手側のメリットを強調した。一方で、「全体像を見ると、(残留した)僕たちのPGAツアーへの発言力は増したが、後悔もある。ツアーは財政的に厳しくなり、資金集めが必要になった」と問題点を指摘。争点のひとつであるLIV所属選手のツアー復帰について「PGAツアーの出場資格がある場合は戻っていい。このツアーでブライソン・デシャンボーがプレーするのは良いことだ」と語った。
また、マキロイは1月、ドナルド・トランプ米大統領と就任式直前にゴルフをともにしたことを明かした。「良い会話ができた。彼はLIVのフォーマットのファンではないと分かった。『でもあなたは、彼らの大会を(自身のコースで)ホストしたでしょう?』と聞いたら、『確かにそうだが、それが好きだということではない』と言っていた。彼は(PGA)ツアー側に立っていると思うよ」と、合意への次の動きを望んだ。(カリフォルニア州サンディエゴ/桂川洋一)