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2023年 全米プロゴルフ選手権
期間:05/18〜05/21 場所:オークヒルCC(ニューヨーク州)

「ぜんぶ忘れて」松山英樹は10年ぶりのオークヒルCC攻略へ

◇メジャー第2戦◇全米プロゴルフ選手権 事前情報(16日)◇オークヒルCC(ニューヨーク州)◇7394yd(パー70)

強い日差しが照り付けたテキサスと、カナダとの国境線が走るオンタリオ湖岸では気温に大差がある。半袖のシャツに汗を吸わせた前週の「AT&Tバイロン・ネルソン」から一転、松山英樹はメジャー開幕2日前の朝、黒いブルゾンの上に白いベストを合わせた。

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比嘉一貴のリクエストに応えた午前中の練習ラウンドで、メジャー第2戦のコースに今週初めて出た。プロ1年目だった2013年8月に同じオークヒルCCでの本大会に出場したが、当時の記憶を攻略ルートの頼りにせず、事前チェックを行った早藤将太キャディの声に耳を傾けた。

「(全体像は)覚えていますけど、ぜんぶ忘れてやろうと思ってます。コースが変わっているので」。2019年の改修を経て、ジェイソン・ダフナーが優勝した10年前よりもはるかに木が少なくなり、数ホールが改造された。パー70設定のまま総距離は200yd以上延長。それでいて深いラフは健在でショットのプレッシャーを増幅させている。

イン9ホールを回った松山は再設計された15番(パー3)で、ティショットでピンそばにボールを落としてファンを沸かせたが、淡々とウェッジを持ってグリーンの右サイドへ。10年前は池があったエリアは短く刈り込まれたフェアウェイになった。

浮かせたり、クッションを入れたりとチッピング練習を各ホールで繰り返す。同じようにグリーン周辺が低い16番ではパターで寄せることも想定した。「ティショットがフェアウェイに行けば。グリーンはそこまで硬くはなっていない。天気次第ですけど、ティショットとグリーン周りが勝負じゃないですか」と上位争いのポイントを口にした。

首に痛みが出た4月の「マスターズ」から4週の休養を経て前週復帰。春先よりも患部を気にするシーンは減ってはいるが、フィジカル面の不安が完全に解消されたとは言い難い。今週は最低気温が10℃未満と、冷え込む日がある予報が出ている。

明るく、決して小さくないニュースは「ゴルフの状態は少しずつ良くなっているのは実感できている」こと。「17番、18番とタフなホールが続く。それまでにバーディを1つでも、2つでも獲って良いゴルフができれば」とスコアマネジメントに頭脳を使う。11年連続出場の全米プロでの計40ラウンドの平均ストローク「70.20」は、20ラウンド以上プレーした歴代選手のうち5番目のロースコア。タフな闘いでこそ真価を発揮する準備はきっとできている。(ニューヨーク州ロチェスター/桂川洋一)

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