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2022年 全英オープン
期間:07/14〜07/17 場所:セントアンドリュース・オールドコース

クラブが“ぐにゃり” マリナックスの初勝利から聖地への旅

◇メジャー第4戦◇全英オープン 3日目(16日)◇セントアンドリュース オールドコース(スコットランド)◇7297yd(パー72)

開幕を2日後に控えた朝、長旅をともにしてきた愛用クラブのあらぬ姿に驚いた。トレイ・マリナックスにとってキャリアで3回目のメジャー、初めての「全英オープン」はなんだかドタバタしている。

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前週の「バーバゾル選手権」で悲願のPGAツアー(欧州ツアー共催)初勝利を挙げ、今大会のフィールドに滑り込んだ。その夜、試合が行われたケンタッキー州からアラバマ州の自宅にパスポートを取りに帰り、翌月曜に出発。ニューヨーク、アイルランドのダブリンを経由してセントアンドリュース近くのエジンバラ空港にたどり着いた。

我が家を出てから実に27時間が経過。火曜日に空港で受け取ったキャディバッグにはなんとクラブが入っていなかった。空港職員が荷物チェックのため取り出したらしく、むき出しのままスーツケースの脇に置かれていた。「たぶん彼らはゴルフバッグに戻さなかったんだと思う。アイアンが何本も曲がっていて…」

スペアが現地で準備されていたため、事なきを得たと思いきや、予選2日間はどうもパッティングがしっくりこなかった。前夜に気づいた。よく見ると、使っていたパターも曲がっており、フェース角がおよそ2度、開いていた。思い返せば予選ラウンドは「『どれだけ“フォワードプレス”しなきゃいけないんだ』とキャディに言っていた。わけが分からなかった。ケンタッキーの時とボールの転がりが全然違った」と球を捕まえるのに必死だった。

すべての調整が完了した、と言わんばかりに、ムービングデーは「66」をマーク。カットライン上の66位から6アンダーの18位に急浮上した。

アラバマ大時代にはジャスティン・トーマスらとチームを全米王者に導いた経歴の持ち主。下部ツアーからのたたき上げで、30歳にしてゴルフの聖地に立った。「きのう、18番を歩いているときが本当に素晴らしい瞬間だった。辺りは暗く、日が沈んできて。橋を渡る時の景色は最高の思い出。父も一緒に来られて良かった」。長い旅路に後悔があろうはずがない。

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