松山英樹はグリーンジャケットを返還「また外に持ち出せるように」
2022年 マスターズ
期間:04/07〜04/10 場所:オーガスタナショナルGC(ジョージア州)
松山英樹はマスターズ連覇ならず 首痛、重圧の中を戦い抜く
◇メジャー第1戦◇マスターズ 最終日(10日)◇オーガスタナショナルGC(ジョージア州)◇7510yd(パー72)
大会史上4人目の連覇はならなかった。ディフェンディングチャンピオンの松山英樹は5バーディ、5ボギーの「72」で回り、通算2オーバーでホールアウト。最終組の1時間半前のスタートだったが、1組後ろをプレーしたウィル・ザラトリスが3アンダーで終えたため、可能性が完全に消滅した。
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アジア勢初のマスターズ制覇という偉業を成し遂げてから1年。昨年10月には「ZOZOチャンピオンシップ」を勝ち、2019年のタイガー・ウッズのようにオーガスタと日本で優勝を飾って母国のファンを喜ばせた。年明け1月には「ソニーオープンinハワイ」でPGAツアーのアジア勢最多記録に並ぶ通算8勝目。年間ポイントレースのフェデックスカップポイントランキングでもトップに立った。
連覇への歩みに影が差したのは、大会5週前の「アーノルド・パーマー招待」期間中だった。2日目の朝に首から肩甲骨にかけての痛みを発症。同週は最終日に4人しかいないアンダーパーを記録して4日間を完走するも、翌週の第5のメジャー「ザ・プレーヤーズ選手権」を初日スタート前に棄権。出場を予定していた「WGCデルテクノロジーズ マッチプレー」の回避を決め、復帰戦となった前週「バレロテキサスオープン」も2日目に途中棄権した。
ジャック・ニクラス、ニック・ファルド(イングランド)、ウッズに続くチャレンジを前に吹いた逆風。それでも「その難しいことに挑戦できるのは今年、僕しかいない」と自らを奮い立たせてきた。首位と5打差19位につける上々の滑り出しを見せると、強風の2日目を「69」と攻略して5打差2位タイに浮上。大会11度目の経験値、磨き上げてきた技術、不屈の精神力を総動員し、再びグリーンジャケットを見据えるポジションで週末を迎えた。
3日目は気温も一気に冷え込み、フィールド平均スコア「74.577」を記録するタフなコンディション。昨年トップへ抜け出したムービングデーで「77」と苦しみ、首位とは11打差に後退。最終日もスコアを伸ばすことはできなかったが、王者だけが知る重圧の中を堂々と戦い抜いた。