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2022年 マスターズ
期間:04/07〜04/10 場所:オーガスタナショナルGC(ジョージア州)

遠ざかる連覇の夢 松山英樹はムービングデーの自己ワースト「77」

◇メジャー第1戦◇マスターズ 3日目(9日)◇オーガスタナショナルGC(ジョージア州)◇7510yd(パー72)

トップをひた走るリーダーにかつての自分を重ね合わせていた。厳しい寒さと強風のコンディションをものともせず、スコッティ・シェフラーは後続を引き離していく。松山英樹は「すごいなあと思いながらやっていた。去年の最終日の前半が終わった時、(自分は)みんなにこんな感じで見られたのかな…と思っていた」。1年経って今年は追う立場となり、18ホールを残して11打差。連覇が大きく遠ざかった。

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練習場でキャップの上にニット帽をかぶり、セーターを着込んだムービングデー。“ガマン大会”になるであろう一日は、後退で始まった。1番で1mのパーパットを左に外してボギー発進。迎えた5番、ナイスショットに思われた1Wでの第1打はフェアウェイで左に転がり、深いバンカーにつかまった。

2打目は“出すだけ”で、3打目はキャリーがわずかに足りず、グリーンの上の段に届かなかった。ボールは手前に戻り、4打目も寄せきれずダブルボギー。精彩を欠いたパットの前に、チャンスを多く作れなかった。

下り傾斜の1.5mをしっかり決めて9番でバーディを取り返したが、続く10番をボギーにした。フェアウェイからの第2打はグリーン左のピンを超え、“行ってはいけない”奥のラフへ。砲台グリーン、ショートサイドのピンへのチップを寄せるのは松山であっても至難の業だった。

引き離されていく状況でも、心境は穏やかだったという。「焦ってもいいことはないと思って、ひたすら『できることをやろう』と思っていたが、結果につながらなかった」。オーガスタを誰よりも知る一人だからこそ、「きのうまでとあまりゴルフは変わっていないが、ちょっとしたことで、ここまでスコアが変わってしまう。難しい」と実感した。2バーディ、5ボギー1ダブルボギー。昨年、自己ベストの「65」をマークした第3ラウンドでワーストの「77」は素直に理解できる部分もあった。

通算2オーバーの14位。「トップと離れてしまったので、ちょっとチャンスはなかなかないと思うんですけど、ひとつでも伸ばして、良い順位で終われるように頑張りたい」。冷え切った体のまま、日没間際の極寒のドライビングレンジでひとりスイングを続けた。最終日は最終組の1時間半前にティオフ。前年王者として堂々と締めくくる。(ジョージア州オーガスタ/桂川洋一)

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