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2022年 WMフェニックスオープン
期間:02/10〜02/13 場所:TPCスコッツデール スタジアムコース(アリゾナ州)

「ただ、うまくなりたい」新人王獲得から1年半 シェフラーがつかんだ初白星

◇米国男子◇WMフェニックスオープン 最終日(13日)◇TPCスコッツデール(アリゾナ州)◇7261yd(パー71)

何度もノックしてきた初勝利への扉。最後に立ちはだかったのは昨シーズンの年間王者だった。学生時代からエリート街道を突き進んできたスコッティ・シェフラーは、3ホールに及ぶプレーオフの末にパトリック・カントレーを破り、PGAツアー3年目にして初勝利を飾った。

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前日3日目に「62」をマーク。しかも18ホールすべてでパーオンに成功する好調ぶりで44位から3位に急浮上して最終日を迎えた。前半アウトでバーディとボギーを3つずつと出入りが激しくなっても、コースと真っ向勝負。2オンに成功した13番(パー5)から17番までに4つバーディを奪い、通算16アンダーの首位に並んだ。

正規の最終18番、“決めれば勝ち”となる2m弱のバーディパットを外しても、25歳にはこの日の「67」の自信があった。「調子は良かった。13番のティに立った時点でプレーオフに残れるとは思わなかった」と終盤の勢いを体が覚えている。プレーオフに入り、フェードヒッターのシェフラーに左ドッグレッグの18番の繰り返しは不利かと思われたが、互いに攻め手を欠きパーを並べて突入した3ホール目。それまで何度もカップぎわを通過していったラインを読み切り、7m強のバーディパットを沈めた。

エリート街道を突っ走った学生時代。高校時代の2013年に「全米ジュニア」を制覇し、テキサス大時代の17年には「全米オープン」でローアマチュアに輝いた。プロ転向後も19年には下部コーンフェリーツアーで2勝、最優秀選手に。昇格直後の20年にはPGAツアーで新人王を獲得し、昨年は8回のトップ10入りで「ライダーカップ」の米国選抜にも選出されたが、優勝だけが手に届かなかった。

周囲の期待が膨らみ続ける一方で、シェフラーは「正直に言うと、僕は勝つことについて深く考えることは多くなかった。ただ、上達したいと思ってきたんだ」と明かした。かつてバッバ・ワトソンをサポートし続けたキャディのテッド・スコット氏がその助け役になり、妻のメレディスさんはいつも夫のそんなゴルフとの距離感を支持してくれている。

勝利への扉を開き、歓喜の雄たけびをあげても、「向上していこうとするのが好きで、とにかくここでゴルフをしていたい。とにかく準備をしてきた。勝つことを考えさせられるのは、皆さん(報道陣)にこうやって聞かれるときだけなんです」と穏やかに、口元に笑みをたたえていた。(アリゾナ州スコッツデール/桂川洋一)

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