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警備につまみ出されるファンも 帰ってきた熱狂のスピース劇場

◇米国男子◇ウェイストマネジメント フェニックスオープン 3日目(6日)◇TPCスコッツデール (アリゾナ州)◇7261yd(パー71)

若くして頂点に上り詰めたジョーダン・スピースは、技術だけでなくプレースタイルでもファンを魅了してきた。

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2015年にはタイガー・ウッズの記録に並ぶ通算18アンダーで「マスターズ」を制覇。通算10勝の節目となった2017年「トラベラーズ選手権」のプレーオフで決着をつけたミラクルチップイン。同年「全英オープン」で放ったセベ・バレステロス(スペイン)をほうふつとさせる、練習場からのリカバリーショット。記録にも記憶にも残る勝利を刻んできた。

「ここで10アンダーを出せるなんて、とてもクールな気分だ。これを自信に、もっと良くなっていくと思う」とうなずいたキャリアベストに並ぶ「61」。神がかり的なプレーの連発だった。

4つ伸ばして折り返した10番から一気に加速した。グリーン左からチップインを決めてトップのザンダー・シャウフェレを捉えると、11番では残り170ydからピンそば20㎝につけるタップインバーディ。13番(パー5)もネイティブエリアからの2打目がグリーン左手前でピンに向かって“ナイスキック”。2オンして悠々とバーディを奪った。

15番(パー5)からは3連続。名物ホールの16番(パー3)では11mを流し込んで高々とパターを掲げ、8mを決めた17番では熱狂するギャラリーを指差すパフォーマンス。18ホールで決めたパットの総距離は125.7フィート(約38m)に上った。

「ハーフターンくらいで盛り上がり始めて、16番、17番ではほとんどのファンが僕らの周りにいるようにすら感じた」。17番ではギャラリーのイスが壊れて笑ってしまう一幕も。映画「ボラット」の登場人物に扮したとみられるファンは、スピースの指を差すパフォーマンスでさらにヒートアップ。池の中へ飛び込もうとして警備員につまみ出されてしまったという。

直近の優勝となる2017年の「全英」から3年6カ月15日となる最終日を同学年のシャウフェレと並ぶ通算18アンダー首位で迎える。最終日最終組でのプレーも、18年「全英」をシャウフェレと回って以来だ。「久しぶりだし、かなり緊張すると思う。2人ともいいプレーをして、そのときよりもいい結果が得られることを願っているよ」と気持ちを高めた。

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