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セベ・バレステロスの記憶/ゴルフ昔ばなし
2018/07/09
ゴルフ昔ばなし
イングランドのロイヤルリザム&セントアンズで開催された「全英オープン」。当時22歳のセベ・バレステロス(スペイン)が後世に語り継がれる一打でメジャー初制覇を成し遂げた。
最終日、2位に2打差の単独首位で迎えた16番(パー4)。セベのドライバーショットは大きく右にそれ、ボールはギャラリーのいる臨時駐車場にある車の下へ。ルールに沿う救済で車は移動。リンクスコースゆえ平地、とはいえベアグランドからグリーンオンが難しい2打目を観客は固唾を飲んで見守った。
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しかし、難局から球を操ってチャンスにつなげるプレースタイルから「七色のアイアン」と評されたセベが真骨頂を見せる。グリーン右サイドに乗せると6m強のバーディパットを沈め、勢いを切らさず、2位のジャック・ニクラス、ベン・クレンショーに3打差で勝利した。
超攻撃的スタイルゆえに招くピンチを華麗にリカバリーするセベ。それを象徴した一打について、敗れたクレンショーは「セベはトラブルショットがうまいんじゃない。あいつにとってはあれが普通なんだ」と表現。後に“駐車場ショット”として名を残し、2017年全英を制したジョーダン・スピースが同大会13番ホールで隣の練習場からリカバリーをした際、会場内にはセベのこの一打の映像が流されていた。