トンプソン4罰打でPO負け ユ・ソヨンが2度目のメジャーV
2017年 ANAインスピレーション
期間:03/30〜04/02 場所:ミッションヒルズCC(カリフォルニア州)
ユ・ソヨン「負けられない」 完全アウェーでつかんだメジャー2勝目
◇米国女子◇ANAインスピレーション 最終日(2日)◇ミッションヒルズCC(カリフォルニア州)◇6763yd(パー72)
最終日を2位から出たユ・ソヨン(韓国)が4バーディ、ボギーなしの「68」でプレー。通算14アンダーで首位に並んだレキシー・トンプソンをプレーオフで下して、メジャー2勝目、ツアー通算4勝目を挙げた。2011年「全米女子オープン」で米国ツアー初勝利をメジャーで飾った韓国の逸材は、世界ランキングを前週3位から2位に上げた。
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優勝争いのさなか、首位を独走していたトンプソンに前日第3ラウンドのルール違反が発覚し、4罰打が加えられる異例の事態が発生。リーダボードを見ていなかったというユは、「レキシーがすごくいいプレーをしていると思っていたので、ペナルティと聞いてびっくりした」と状況をつかめないまま、最終18番(パー5)のバーディを奪い、クラブハウスリーダーとなってホールアウトした。
18番で行われたプレーオフ1ホール目。ティショットをフェアウェイに置くと、第2打は勝負をかけた2オン狙い。ピンまで残り218yd、5Wを振り抜いたボールはグリーン手前からピンをオーバーして、右サイドに広がる池、通称“ポピーポンド”の手前で止まった。第3打のアプローチを1.5mに寄せてウィニングパットを沈めると、両手で顔を覆い感極まった。「この状況が本当に信じられない」。
試合後のインタビューでは、トンプソンのトラブルについても話題は及んだ。「わたしたち選手はみんなが互いに支え合っている。いいプレーがしたい、いいゲームがしたいと思ってやっている。わざとじゃなくこうなったと聞いて悲しく思ったが、とにかく自分のプレーに徹していた。レキシーがどんなプレーでも、勝てたことは本当にうれしい」。
そしてこう続けた。「ここはアメリカの試合で、レキシーはアメリカ人。みんながレキシーを応援するのは分かっていた。そんな中でも私を応援してくれる人もいる。テレビの向こうで声援を送ってくれているファンもいる。とにかく負けられないと思ったの」。異様な空気に包まれる中、アウェーの空気に耐えてつかんだメジャー制覇を素直に喜んだ。(カリフォルニア州ランチョミラージュ/糸井順子)