ユ・ヘランが“思い出のエビアン”でメジャー2連勝「漫画の中の出来事みたい」
◇女子メジャー第4戦◇アムンディ エビアン選手権 最終日(12日)◇エビアンリゾートGC(フランス)◇6479yd(パー71)
苦しんだからこそ、喜びは格別だった。ユ・ヘラン(韓国)がプレーオフ(PO)を制し、2週前の「KPMG 全米女子プロ選手権」に続くメジャー2連勝を決めた。5大メジャー最少スコア「60」をマークした前日から一転、この日は1バーディ、1ボギー「71」。それでも、勝負どころでの強さは、メジャー覇者のそれだった。
7番イーグル&8番エースの離れ業で追いつかれたブルック・ヘンダーソン(カナダ)とのPO1ホール目。18番(パー5)で2オンに成功し、2パット目の90cmを決めてバーディで決着させ、右こぶしを握って大きく息を吐いた。「いまは本当に幸せ。夢のような気持ち」。メジャー連勝は今年の「シェブロン選手権」「全米女子オープン」のネリー・コルダに続く快挙。LPGA広報によると、通常大会を挟まないケースは史上初となった。
3打差首位から逃げ切りを狙った最終日は、グリーン上でとことん苦しんだ。6番で1.5m、7番で2m、バックナインも13番から4連続で5m以内のチャンスを外した。「お願いだから入って」と祈りながらプレーした。15番で岩井明愛に、16番でブルック・ヘンダーソンに並ばれた。そして迎えた18番、4mの上りラインを「絶対に届かせる。外れてもいい。でもショートだけはダメ」と念じてストローク。正規ラウンドの最終ホールで、この日最初で最後のバーディを奪ってPOに持ち込んだ。
2023年から米ツアーに本格参戦した韓国出身の25歳は、今季パーオン率1位(80・37%)のショットメーカー。ルーキーイヤーから1勝ずつ重ねて向かえた今季は、長引く腹部の不調で5月下旬から約1カ月休養を強いられたが、復帰初戦からのメジャー2連勝だ。
エビアンでは14歳の時、ジュニア大会を制した。11年後、思い出の地でメジャートロフィーを掲げた。「漫画の中の出来事みたい。たくさんの歴史が生まれた1週間だった」と感慨深げ。仲間からのシャンパンシャワーを受け、「2週前はシャンパンだけだったけれど、今回はエビアンの水も一緒だったので香りが良かった」と笑った。(フランス・エビアン/中村文香)