マキロイのビッグファン 笹生優花はグランドスラムに驚きナシ「信じていた」
◇女子メジャー第1戦◇シェブロン選手権 事前情報(22日)◇ザ・クラブatカールトン・ウッズ(テキサス州)◇6911yd(パー72)
2週前の13日(日)、笹生優花はテキサス州ダラスの自宅で、テレビにかじりついていた。ロリー・マキロイ(北アイルランド)が悲願の初優勝を果たした男子メジャー「マスターズ」。女子メジャー2勝の23歳は、憧れの存在の涙のグランドスラム達成を淡々と眺めていた。
“冷めていた”わけでは決してない。「自分の中では、勝って当たり前の選手だと思っているので、そんなにビックリはしていないです。『普通だろう』みたいな感じ」と話す様子は笑顔でいっぱい。目をキラキラさせて「そのくらい、信じていたので」とうなずいた。
「全米オープン」でメジャー初優勝を飾った2011年から、マキロイのことをずっと大好きでいる。自身が2021年に「全米女子オープン」を制した際には酷似したスイングが話題となり、直後に米国で初対面を果たした。当時の写真はパネルにして日本の自宅で保存。「汗や指紋が付かないように、ちゃんと閉めてありますから!」
ジャスティン・ローズ(イングランド)とのプレーオフにもつれ込んだ最終日も、マキロイの勝利を疑わなかったという。ダブルボギーをたたいた13番(パー5)、小川に入れる3打目のミスを見ても「It’s OK.」。15番(パー5)、ビッグドローで2オンさせたスーパーショットも「マキロイにしかできない。でもマキロイなら普通でしょう」と静かに受け止めた。
勝負が決した直後の感動のシーン。笹生は「マキロイが感じる気持ちは分からないです。(自分は)その立場に立っていないので」と言う。「でも、グランドスラムを何年待ったことか。(マキロイは)あの立場に立てるように10年以上、練習してきた。エモーショナルだったのは、そのぐらい頑張ったからなんだなと思いました」
今週は自身の今季メジャー初戦が控える。出場する13人の日本勢で唯一、前週をオフにしてヒューストン入りし、近隣コースで調整を重ねてきた。「ダラスではグリーンの状態があまり良くなかったので、パッティングはあまりできなかった。今週は本当に良いコンディションに仕上げてくれてありがたい」
6900yd超のロングコースではもちろん、持ち前のパワーゴルフが生きる。「すごく楽しみです。天気が良くなればもっと楽しめるんじゃないかなと思います」。刺激をたっぷり吸収したままティオフする。(テキサス州ザ・ウッドランズ/桂川洋一)