2年連続女王がいよいよ米ツアー挑戦へ。最終予選会への出場を決めた山下美夢有

国内女子ツアー2年連続年間女王の山下美夢有が来季の米ツアー参戦を目指し、最終予選会（12月5～9日／アラバマ州・マグノリアグローブGC）にエントリーしたことを3日、マネジメント事務所を通じて発表した。

山下は9月30日時点の世界ランキング17位で、最終予選会に参加できる「10月8日時点の世界ランキング75位以内」のクリアが確定的。大阪桐蔭高3年で2019年度のプロテストに合格し、精度の高いショットを武器に22、23年に女王に輝いた23歳が大目標のメジャー優勝のため、ついに海外ツアーにかじを切る。

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同学年＆同期合格でメジャー「全米女子オープン」2勝を果たした笹生優花、1学年上で7月メジャー「アムンディ エビアン選手権」を制した古江彩佳らがいち早く海外に主戦場を移す中、山下は食事面、移動などに伴う体力的な問題を考慮して、国内に軸足を置いてメジャーにスポット参戦してきた。

今回の決断を後押ししたのは今季の実績だ。昨年は「準備不足」を理由に4月「シェブロン選手権」の出場を見送ったが、今年はは全5試合にフル参戦。8月「AIG女子オープン」（全英女子）で唯一の予選落ちを喫したものの、6月「全米女子プロ選手権」で2位、「全米女子オープン」も12位と安定した成績を残した。また8月「パリ五輪」ではメダルにあと一歩に迫る4位と健闘した。

一方、国内ツアーは今季未勝利ながら、出場17戦で7度の2位を含むトップ5が13回で、現在メルセデスランキング2位につける。シーズン残り8戦でランク1位の竹田麗央に634.15pt差をつけられ、3年連続の女王戴冠は厳しい状況だが、平均ストロークは「69.3162」で史上初の3シーズン連続「70」切りに向けて、抜群の安定感を発揮。国内での“やり残し”もほぼない足跡を残してきた。

山下サイドは国内を主戦場にしてもメジャーで“やれる”手応えは得ているものの、スポット参戦ではメジャーのセッティング、芝を含めた環境面への対応が不十分になること、山下本人が元々持っている海外志向、さらに周囲の熱烈な声などを総合的に判断し、海外本格参戦の意思を固めたようだ。

米ツアー最終予選会には、今季国内ツアー7勝でメルセデスランキング1位を独走する竹田が前週「日本女子オープン」優勝後に挑戦を示唆。岩井明愛・千怜の姉妹2人はエントリーを済ませている。（編集部・加藤裕一）

メジャーで優勝したい

山下はマネジメント事務所を通じて以下のコメントを出した。

いつも応援いただきありがとうございます。今回来年の米ツアー参戦を目指し Qスクール（最終予選会）に出場することを決めました。今年海外メジャー5 試合、オリンピックと計 6 試合の海外試合に出場し、様々な経験をすることができたと同時にやはり海外メジャーで優勝したい、そしてそのためにはゴルファーとしてさらにレベルアップをしたいと思うようになり、このような決断をいたしました。今季の日本ツアーも最後まで頑張りますので引き続き応援のほどよろしくお願いいたします。

山下のメジャー&五輪成績

2022年
「AIG女子オープン（全英女子）」13位／－4（スコットランド／ミュアフィールド）
2023年
「全米女子オープン」予選落ち／＋9（カリフォルニア州／ペブルビーチGL）
「エビアン選手権」48位／＋2（フランス／エビアンリゾートGC）
「AIG女子オープン」21位／0（イングランド／ウォルトンヒースGC）
2024年
「シェブロン選手権」17位／－2（テキサス州／ザ・クラブatカールトンウッズ）
「全米女子オープン」12位／＋4（ペンシルベニア州／ランカスターCC）
「全米女子プロ選手権」2位／－4（ワシントン州／サハリーCC）
「エビアン選手権」39位／－3（フランス／エビアンリゾートGC）
「パリ五輪」4位／－6（フランス／ル・ゴルフ・ナショナル）
「AIG女子オープン」予選落ち／＋9（スコットランド／セントアンドリュース オールドコース）