宮里藍、3年連続賞金100万ドルを突破!/女子ランキング
【Q&A with 藍ちゃん】第3回:海外メジャー、英語の壁…「みんなに認めてもらいたい気持ちはあった」
今や国民的スターになりつつある宮里藍。北田瑠衣と組んだ第1回女子ワールドカップでは見事日本チームを優勝に導き、続く「ANZレディースマスターズ」では堂々2位に入った。その勢いのまま、先週の米国女子ツアーメジャー大会第1戦「クラフトナビスコチャンピオンシップ」に参加。成績は44位タイに終わったものの、宮里自身大きな手ごたえを感じて帰国した。
宮里は3月30日、日本外国特派員協会でランチ会に招待され、続く記者会見では先週のクラフトナビスコでの体験談や自らが描く将来の大きなビジョンまで語った。
<< 下に続く >>
ゴルフダイジェスト・オンラインでは当会見での宮里とのQ&Aをノーカットで4回に分けて掲載致します(週1回、水曜日更新)。乞うご期待!
-ジャンボ尾崎選手など、日本でトップに君臨した選手は、海外に出ると勝てない…ジャンボ選手に限ったことではないですが、「日本人は海外で勝てない」現象について、どう何が原因だと思いますか?
宮里藍
「Very difficult question(苦笑)。私もこれからどんどん海外で挑戦していきたいと思っているのであまり大きなことは言えないのですが…。どうしてでしょう?まずやっぱり言葉の壁が大きいのではないか、と。私が思うに、海外の方がレベルは高いし、選手の層もものすごく厚いし、皆それぞれすごくいいものを持っていて、一辺倒では通用しないというか…。それに追いつくだけでも大変なのに、それプラス言葉(の壁)がある。仕方がないんですけど、それを乗り越えなければいけないのが1つあると思います。
「私はすごく英語が好きだし、コミュニケーションを取るのがすごく好きです。小学校4年生くらいの時に初めて世界ジュニアに出た時からコミュニケーションを取ることが好きで、友達を作るのが得意だったので、海外に対するコンプレックスは最初からなかったです。言葉の壁をやぶれなかったら、自分の居場所って作れなくて、1人でやっていかなければいけない葛藤とかがあると思います。それを乗り越えた人はやっぱり大きくなれると思うし、(米国男子ツアーでプレーする)丸山さんは海外でもすごく人気があって、テレビで見ていてもとても爽やかで好印象で、決して英語をしゃべれるわけではないんですけど(笑)…(丸山選手は)聞いているのはよく分かってるけど、テレビのインタビューはやっぱり日本語なんで、英語をしゃべっているところを見たことがないです(笑)。でも丸山さんの表情とかには、すごくハードな環境の中でも自分の居場所というのが確実にあると思います。やっぱり自分の居場所を作れるという努力はすごく大切だと思います。
「(昨年の)ミズノクラシックから(先月の)ナビスコまでの数試合で、いろんな選手と周る機会があって、自分からなるべく声を掛けるようにしました。一緒に周った選手に「Long time no see! Good to see you again!(久しぶり!また会えて嬉しい!)」と言ってハグをしたりしました。とにかくコミュニケーションを取って、私を覚えてもらおうとしました。これだけは良かったなと思うのは、名前が「アイ」だということ。非常に覚えてもらいやすかったです。今後、海外でやっていく上でみんなに認めてもらいたという気持ちはあったので、この3、4試合は自分から積極的に話し掛けました。
「(コミュニケーションを取ること)は非常に大事なことではないかと父に言われました。それが結果的にゴルフに繋がるかといえばそうではないかもしれないけど、でも将来的には自分でインタビューは英語で答えれるようになりたいし、こういう場(外国人記者を相手)でも英語で話せるようになりたいと思っています。そうすることによって、気持ち的に楽になれてゴルフが大きくなるのではないかと思っています」
-海外でプレーしてみて、日本とのギャラリーの差やゴルフの見方の違いは感じましたか?アメリカなどではやはりギャラリーの盛り上がりは日本のそれとは大きな差があるのではないですか?
宮里藍
「(日本のギャラリーに)情熱がないわけではないんですけど、やっぱり文化の違いとか、ゴルフの面白みがアメリカの人にとっては違うものなのかな、と思います。他のスポーツでも一緒で、日本人はちょっとシャイというか、どうしても感情を抑えるというのが日本人の特徴ではないかとは思っています。
「海外では、ゴルフがやりやすい環境にあるし、どこに行っても安くプレーできる。(ゴルフが)日本よりももっと生活に馴染んでいるので、ギャラリーがゴルフの見方を知っているのではないかと思います。例えば、(アメリカだったら)パーオンしただけですごく拍手が帰ってくるけど、日本ではやっぱりベタピンにつけないとすごい拍手は帰ってこない。どっちがやりにくいというのは全然なくて、日本は日本でいい所はたくさんあるし、ただ海外の方が…多分遺伝子的に盛り上がりやすいというか、難しいんですけど、あのスタンディングオベーションであるとか、あの18番グリーンに上がるときに皆が拍手してくれるとか、あの雰囲気が日本にもあればもっとスポーツが盛り上がると思います。すごく偉そうなことを言ってるんですけど(笑)
「でも、日本でもこれだけ注目していただいて、たくさんのギャラリーの方に見に来ていただいているので、もちろん嬉しいですし…少し話はそれてしまうのですが、やっぱり小さい子供が会場に来てくれているのがすごく大きいです。例えば、3歳くらいの子が『藍ちゃん!』って手を振ってくれたりしているのが、私にとっては今すごく大きく励みになっています。これからゴルフがそういう小さい子に伝わっていけば、ゆくゆくは盛り上がっていくのかなと思います」