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「人に恵まれている」西郷真央の悔し涙を“拭ってくれた”先輩プロ

◇米国女子◇フォード選手権 presented by KCC 事前情報(27日)◇セヴィールG&CC (アリゾナ州)◇6734yd(パー72)

ホールアウト後にあふれ出た涙が、いまだにちょっと恥ずかしい。前週の「朴セリ選手権」最終日。「めっちゃガマンして、絶対に泣かないようにと思っていたのに。人の顔を見たら泣いちゃって、止まんなくなっちゃって…」。ゴルフでうれし泣きした経験は西郷真央にはないという。悔しくて泣いたのも「1回か、2回」。ルーキーとして戦う米ツアーはさっそくそんな体験をさせてくれた。

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涙を拭ってコースを去ろうとしたときには「意外ともうケロッとしていた」と照れ笑いして明かす。同日夜には、試合が行われたロサンゼルスエリアで勝みなみと食事をともにした。「すごく楽しかったです。今週はまた違う環境なので、また頑張りたい」と1年前は同じ立場だったツアーの先輩に感謝した。

最終組の3つ前の組でプレーした前週最終日は「なんかずっと苦しかった。落ち着けるホールが一度もなかった」。米国での序盤戦で、クラブの細かい調整が必要だと改めて実感。とくにラフからのアイアンショットでフライヤーするか、しないかが読めていないことも悩みのひとつにある。

悔しかった日曜日、西郷は勝とは別のプロにも頼った。DPワールドツアー(欧州男子ツアー)を主戦場にする星野陸也には、数年前の国内でのツアー対抗戦をきっかけにして以来、相談に乗ってもらっている。

「『お疲れのところすいません』と言って、電話させてもらって…。『フライヤーした距離の統計を自分で取ると良い。この番手は何ヤードと、メモっておくと1つのパッケージになる』と仰ってました」。シンガポールでの試合を終えた兄貴分も丁寧にアドバイスをくれた。

今週のアリゾナでは、開幕前日にアプローチグリーンで稲見萌寧と話し込む姿があった。「クラブの話、ウェッジの話をずっとしていました。日本にいるときもお互い新しいものを試して感想を言い合ったり、より良いものを求める感じです」。海を渡っても、志を同じにする仲間がいるのが心強い。厳しいツアーで「(自分は)人には本当に恵まれている」と実感してやまない日々を送っている。(アリゾナ州ギルバート/桂川洋一)

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