居残り成果のチップイン締め 渋野日向子「一番ショットが良かった」
2023年 CP女子オープン
期間:08/24〜08/27 場所:ショーネシーG&CC(カナダ)
不安な日々も抱えた8年 モン族系アメリカ人一世のメーガン・カンが初V
◇米国女子◇CP女子オープン 最終日(27日)◇ショーネシーG&CC (カナダ)◇6709yd(パー72)
「私はここで優勝を挙げることが出来るのだろうか」。プロ転向から流れた8年という月日の中に、そんな不安を抱えて過ごした日々があった。25歳にして念願の初優勝を挙げたメーガン・カンは、2015年のプロ転向以来で自己最高位は2022年9月「Danaオープン by マラソン」での2位。トップ10にはこれまで33回にわたってマークしてきた。
<< 下に続く >>
後続に3打差つけた11アンダーの単独首位で出た最終日、「頭では3打リードしていると分かってはいるけど、あまり考えないようにして。もちろん、全て終わったら優勝していたいなとは思っていた」。これまで培ってきた経験、反省を胸に、そんな心境でティオフを迎え、プレー中はキャディに「緊張しているからたくさん話しかけて」というやり取りをしていたという。
リードしていた“貯金”をすり減らしながら首位をキープし、優勝争いに緊張感が増す終盤17番(パー3)でカンは痛恨のボギーを喫する。ティショットをショートし、アプローチを寄せられず2mのパーパットはカップ右端をなめてのボギー。元世界1位の実績を持って現在4位につけるコ・ジンヨン(韓国)と競り合いっていたことを把握していただけに「すごく腹が立って」と最終18番のティショット前は動揺していた。
前の組でプレーして1打ビハインドして終えたコに追いつくには、バーディが必須のホール。呼吸を整えながらティショットをフェアウェイに置き、2打目はピンそば1.5mピタリにつけて延長戦に突入した。正規の18ホールをプレーした後のアテストでは「サインするときに手が震えていて。たしかに緊張はあった。今週はよく目の前や、前のホールで動揺することがあっても、次のショットに集中することができた」と振り返った。
ベトナム戦争が影響してラオスからアメリカに移住してきたモン族出身の両親を持つカン。高校卒業後すぐにプロ転向したが、実は大学に行く選択肢も当時はあったとし、「まさに私たち家族はアメリカンドリームに生きているよ。私を信じできてくれた家族の勝利なんだ」と支えてきてくれたチームに感謝の言葉を添えた。(カナダ・ブリティッシュコロンビア州バンクーバー/石井操)