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2023年 フリードグループ スコットランド女子オープン
期間:08/03〜08/06 場所:ダンドナルドリンクス(スコットランド)

今なら思える「けがで視野が広がった」 渋野日向子が見つけた光

◇米国女子◇フリードグループ スコットランド女子オープン 2日目(4日)◇ダンドナルドリンクス (スコットランド)◇6494yd(パー72)

最後にハグを交わしたマジャ・スターク(スウェーデン)から言われた、「See You Tomorrow!」に自然と笑みがこぼれた。渋野日向子は、この日のベストスコア「65」で2位まで上がってきた同伴競技者に負けじと「68」でプレー。通算12アンダー単独首位をキープして大会を折り返し、3日目も1学年下の23歳と一緒に最終組を回ることが決まった。

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ノーボギーの前日から一転、1番で3パットボギーのスタート。「すごく残念。早速ずっこけたので…」と冗談めかしつつ、「早めにボギーが来て良かったのかな」とも。いきなりのつまずきで、むしろ目が覚めたような感覚。続く2番は迷った末に番手を落とした6Iでピンに絡めてバウンスバックを決めた。

その後はチャンスメークしながら生かしきれないもどかしい展開で、「パターがショートしまくってた。すごい寄せに行ってる感じはあったかな」と思わず苦笑いしたほど。大きかったのは後半11番(パー3)。手前から8mほどを流し込み、「あそこのロングパットが入ってくれたことで、気持ち的にも前に進むことができた」。さらに15、18番と着実にパー5でバーディを奪取。特に最終ホールは微妙な距離を残した3打目をしなやかなウェッジショットで3mにつけて獲った。

3月から4月にかけて発症した左手の痛みが再発することのないようにと始めた現在のスイング。腕の力に頼らず身体の大きな部位、特にあばらを意識してバックスイングを上げていくことで、「前より手打ちではなくなったとは思う」とうなずく。

「あんまりけがをしないタイプの人間だったし、あそこまで痛くなる経験がほぼ初めてだった」という渋野にとって、不安でいっぱいな試行錯誤の日々だった。予選落ちが重なり、悩み抜いた時間を経て、発展途上でも方向性が定まった。「いままで感覚でやってきたものを、もう少し自分の身体を理解してできるように、これからもやっていかないといけない。自分の中でけがをプラスに捉えて、この痛みが出たから、視野が広がったって思えている、今。そんな感じです」

“行き当たりばったり感”もなく、冷静にゴルフと向き合う姿は頼もしい。「予選カットの緊張感じゃないから、いい緊張感。ちょっと前に進めたかなって感覚です」。トーナメントリーダーで迎える週末を前に、不思議なほど落ち着いている。(スコットランド・アーバイン/亀山泰宏)

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