スーパーショットで予選通過を引き寄せた木下彩

◇海外女子メジャー◇全米女子オープン 2日目（7日）◇ペブルビーチGL (カリフォルニア州)◇6509yd（パー72）

初日101位でのスタートから、出だし3ホールでボギーが2つ重なった。「終わったな…」。一度は沈みかけた気持ちを、木下彩は自ら奮い立たせた。「みんな、いつ落とすか分からない」。折り返しも迫る17番（パー3）でリーダーボードを確認すると、カットラインは5オーバーとわずか1ストローク差だった。「頑張れば、行けるやん」。その気になった。

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ただ、初めてのメジャーは甘くない。4番で1mほどのパーパットのラインを読み切れずにボギー。続く5番（パー3）でもスコアを落とした。「またか…」。間違いなく痛い2連続ボギーに開き直った。「日本でも前半に『40』を打ったり、結構やるんですよ。逆にもう、どっちかしかないじゃないですか。打つか、頑張るか。これだけ打ったし、頑張ろうと」。6番がパー5だったこともメンタルを上向かせることができた理由だった。

プライベートも含め初めての海外がペブルビーチ

その6番、グリーンエッジまで216ydほどのセカンドがすごかった。急激な打ち上げになっているため、3Wと迷った末に7Wでボールを上げて風に乗せるプラン。「右風と言われたので、（右サイドの）海から“マンフック”を打ったんです。キャディさんも『えっ？』みたいな。マジで海の上に行って（戻ってきた）という感じでした」と豪快に笑う一打は、ピン横3.5mにつくスーパーショットになった。

イーグルパットは惜しくも外れてバーディ。「うれしいけど、ここまで来たらイーグルが欲しいじゃないですか」。ちょっとだけガッカリしながら迎えた上がり3ホール、8番で寄せにいったはずが強く入ったロングパットがピンに当たってカップに消えるバーディを奪った。最終9番も2パットでしのぎ、この日パープレーの「72」。通算5オーバー47位まで順位を上げて予選通過を決めた。

予選ラウンドは野村敏京と同組。2日目は最終組だった

「ただガムシャラにやっていた。良かったしか（言葉が）出ない」。初々しく言った後で、国内ツアーとは桁違いの高額賞金がかかる週末へ「ひたすら頑張る」とどん欲さも隠さない。この日は最終組でのプレーで、ホールアウトする頃にはすっかり暗くなっていた。「もう（午後）9時なんですか？寝なきゃ！」。同学年の勝みなみと2サムで回る3日目まで、わずかな時間を休息に充てる。（カリフォルニア州ペブルビーチ／亀山泰宏）