笑顔で頂点に立った

◇海外女子メジャー◇全米女子オープン presented by プロメディカ 最終日（5日）◇パインニードルズ・ロッジ&GC(ノースカロライナ州)◇6638yd（パー71）

1mに満たないボギーパットは、ミンジー・リー（オーストラリア）がずっと夢に見てきた瞬間でもあった。弟でDPワールドツアー（欧州ツアー）2勝のミンウ・リーとともに、小さいころから全米オープンのウイニングパットを決めることをイメージして練習を重ねたという。「『この1.5mが全米オープンの優勝を決めるんだ』って。子どものころだけじゃなく、成長してからもずっと。小さいころからの夢がかなったから、言葉が出ない」。ラウンド中も絶やさなかった笑顔は、いっそう輝きを増した。

＜＜　下に続く　＞＞

後続に3打のリードを持っていても、朝は思った以上に早く目が覚めた。「でも、きょうは寝坊できない日だから」。いきなり2連続バーディ発進で差を広げたが、スキは見せない。「ボールストライカー向きのコース。グリーンがかなりトリッキーだから、スピン量をコントロールして、グリーンの正しい場所に打つ必要がある」。今季パーオン率74.83%でツアー7位につけるショットメーカーの強みが見事にコースとかみ合った。

ショットメーカーの強みを存分に生かした

最終日にアンダーパーで回ったのは2人だけというハードセッティング。パープレー「71」で悠々と逃げ切っての通算13アンダーが唯一の2桁アンダーとなった。ジュリ・インクスターが打ち立てた通算16アンダー（1999年）には届かなかったものの、合計271ストロークは大会最少記録を1打更新した。

昨年「エビアン選手権」に続くメジャー2勝目

そして、女子ゴルフ史上最高となる優勝賞金180万ドル（約2億3500万円）を獲得した。「西オーストラリア州では、いまゴルフが大きなブームになっているの。こんな大金を手にしたのは私が初めてだと思うから、本当に光栄に思う。私たち（女子ゴルフ界）は正しい方向に進んでいる」。後に続く存在への影響力に思考を巡らせ、喜びをかみ締めた。（ノースカロライナ州サザンパインズ／亀山泰宏）