苦しみながら逃げ切った

◇米国女子メジャー◇シェブロン選手権 最終日（3日）◇ミッションヒルズCC(カリフォルニア州)◇6884yd(パー72)

ジェニファー・カップチョが最高の幸せをつかんだ。初優勝でメジャータイトルを獲得した24歳を抱き上げたのは2月に結婚したばかりの夫。PGAツアーのコミッショナーと同じ名前のジェイ・モナハンさんにお祝いされ、「彼を見たときに感情的になっているのがわかった。とてもクールな瞬間だった」とかみしめた。

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前日「64」で54ホールの大会記録となる通算16アンダーまで伸ばし、後続に6打差をつけて迎えた最終日。「6打リードして、前日は8アンダーで回った。きょう2アンダーで回れれば、プレーオフには行けると思った」。堅実なプランとは裏腹に、前年覇者パティ・タバタナキット（タイ）との2サム最終組でスコアが目まぐるしく動いた。5バーディ、7ボギーの「74」。1組前を回るジェシカ・コルダに一時2打差まで詰められながら、上がり2連続ボギーでも逃げ切った。

世界アマチュアランキング1位に輝いたこともあるカップチョは2019年、この大会（当時はANAインスピレーション）への参戦を見送り、同じ週に初開催となった「オーガスタナショナル女子アマ」へ出場。笹生優花らを抑えて優勝を飾った。同年プロ転向して「エビアン選手権」で2位に入るなど早くから実力の一端を示しながら、ツアーのタイトルが遠かった。

新婚の24歳、カップチョが最愛の夫らと優勝者恒例のダイブ

「あと一歩のところまでは、何度も行ったことがある。私は成長した。パッティングも良くなったと思うし、怒ることもあるけど、それをすぐに吐き出して、次につなげられるようになった。メンタルが強くなったんだと思う」。オーガスタから3年後、ミッションヒルズCCでは最後となったメジャーで悲願の初V。「オーガスタで最初に勝った人、ここで最後に勝った人になるなんて夢のよう。私はメジャーチャンピオンになった」と胸を張る。

キャディ、そして最愛の夫を伴っての優勝者恒例となるポピーズポンドへのダイブ。「メジャー優勝は本当に特別なこと。ここで最後に池に飛び込むことができるのも、全てが特別なことなんです」と喜びがあふれた。（カリフォルニア州ランチョミラージュ／亀山泰宏）