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2021年 全米女子オープン
期間:06/03〜06/06 場所:オリンピッククラブ(レイクコース)(カリフォルニア州)

「球がティから落ちて見えた…」序盤失速の真実/笹生優花独占インタビュー

2021/06/08 19:30


「全米女子オープン」で初優勝を果たした笹生優花が、快挙から一夜明けた月曜日(現地時間7日)、GDOの取材に応じた。

「終わってその日はすごくうれしい気持ちでいっぱいだったけど、終わってみたら、終わっちゃったなっていう感じです。もう昨日の話だな、みたいな。自分の中では、また次の試合に集中しないといけないなって感じです」と、笹生は何事もなかったかのように言う。

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それでも、我々の記憶にはオリンピッククラブでの最終日はまだ鮮明に焼き付いている。あの日曜日、19歳の笹生はなにを感じて、なにを思いながらプレーしていたのか?本人の話を、3回にわたってお届けする。(編集部・今岡涼太)

◆球がティから落ちて見えた

首位のレキシー・トンプソンを1打差で追って出た最終日。1番(パー5)をパーとした笹生は、2番のティショットを大きく右に曲げてしまう。明らかに不自然な動きに見えたスイングだったが、笹生にはかつて経験したことのない異変が起きていたという。

「バックスイングに入って、ダウンスイングを下ろすとき、球がティから落ちたように見えたんです。映像を見たら分かりますが、止めようとしたのでダウンスイングがすごく遅かったと思うんです。あ、空振りすると思って身体が浮き上がったけど、ボールの上に当たってあんな球が出てしまった。当たってから、『あ、動いてない』って気がついた。ティがそのまま残っていたので、本当は落ちていないけど、頭の中で落ちたように見えたんです。今までにないことが出てびっくりしました。自分のショットや内容を分析したがる方だけど、そのショットは本当に分析できないです。昨日もずっと考えていたんですけど、その答えをみつけるまではちょっと時間がかかるかもしれないですね…」

ティショットは205yd先の右ラフへ。つま先上がりで、グリーンはおろか、フェアウェイに戻すのさえ容易ではない深いラフの中だった。

「セカンド地点に着いて、次のショットに集中しないといけなかったけど、ティショットのショックがあり過ぎて、ずっと考えていてあまり集中できていなかったです。まずはフェアウェイに出すことに100%集中しないといけないのに、半分くらいしか集中していなかった。(ダボになって)スコアにはイライラしたけど、それより内容が大事だと思うので、ティショットがなぜそうなったのかということに、もっと頭が行っちゃっていましたね」

続く3番(パー3)のティショットは、引っ掛けて左バンカー。3パットで2連続ダブルボギーとしてしまう。

「あのときは勝つ、負けるという結果は本当にどうでも良くて、結果の前に、自分のゴルフの内容がオーバーで終わりたくなかった。実際オーバーで終わっちゃったんですけど、良いゴルフをしたかったので、3ホールを終わってちょっと自分を失いました。なんであんなことが起きたんだろうって、2番のティショットが本当にショックで、それがずっと頭に残っちゃって他のことに集中できていなかった。スコアも分からない、数えていないくらいだったんです」

◆自分は何をしているんだろう

「4番のセカンドショットを打つときに、次のショットにまた自分が集中していないことにキャディさんが気がついて、『優花が自分のプレーに集中せず、考えがプレーに戻ってきていなかったら、どうやってゴルフをするの?』みたいに言われました。『まだ残りホールもいっぱいあるし、自分を信じて、いままで3日間やってきたことをやろう!』って言われたときに、涙まではいかないけど、ちょっと泣きそうになって『そうだ、自分は何をしているんだろう』って思いました。そこから切り替えられましたね」

とはいえ、すぐに平常に戻るわけではない。その後の1Wショットでも、球が落ちるのではないか?という不安はしばらく離れなかったが、6、7番を迎える頃にはその不安も薄れていた。

「2番、3番をプレーするのが30分くらいじゃないですか。30分で起きたことを取り戻すのって、結構時間がかかるんです。同じ2ホールでは取り戻せなくて、18ホールでも足りないくらい時間が必要だったりもする。だけど、その中でキャディさんがいろんな話をしたり、声を掛けてくれたことが力になって、普通なら2、3時間かかるものを、1時間、1時間半で取り戻せたことが良かったんじゃないかなって思います」

3番以降は、7番でバーディ1つ。それでも、前半9ホールを終えて首位トンプソンとは5打差がついていた。

「(トンプソンのプレーは)最初の9ホールはほぼ見ていなかったと思います。自分のことに集中し過ぎて、夢中過ぎて…。良いゴルフはしていましたね。ドライバー(ショット)も飛んでいたし、ボールストライキングもすごく良くて、パターもそこそこ入っていた。でも、全体的な流れは、ぜんぜん感じていなかったです」

そのトンプソンが乱れるのはサンデーバックナインに入ってからだった。(続く)

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