暗闇の居残り練習45分 渋野日向子メジャー2勝目へ執念
2020年 全米女子オープン
期間:12/10〜12/14 場所:チャンピオンズGC(テキサス州)
魔法の解けたスマイリングアサシン 元世界1位が見抜く渋野日向子の“冷徹”
◇海外女子メジャー◇全米女子オープン 3日目(12日)◇チャンピオンズGCサイプレスクリークコース (テキサス州)◇6731yd(パー71)
1年前、流行語大賞にもノミネートされた「スマイリングシンデレラ」の愛称は、いまもなお海外メディアの間で定着している。「全米女子オープン」で単独首位に立って最終日を迎える渋野日向子を伝える記事には、「smile」「cinderella」といったフレーズが並ぶ。
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通算イーブンパーで渋野とは4打差の5位につけるリディア・コー(ニュージーランド)の分析がユニークだ。17歳で世界ランキング1位に輝くなど数々の最年少記録を持つ、かつての“天才少女”は「素晴らしいプレーをしている彼女を捕まえることは簡単ではない」とした上で、渋野のトレードマークである笑顔について語った。
「素晴らしいポーカーフェイスか、“スマイリングアサシン”のどちらかだと思う」
PGAツアー3勝を誇る丸山茂樹の異名でもあった「笑顔の暗殺者」。おとぎ話のようなサクセスストーリーでメジャータイトルをつかんだ渋野に一層のすごみが加わってきたということなのか。
「彼女はとても落ち着いている。全英のときはまだほかの選手に比べて知られていなかったから、懐疑的な目を向ける人がいたかもしれないけど、実力で証明したし、いまもまさにそうしている。彼女の冷静さは間違いなく印象的な部分」
笑顔の裏に同居する、“勝負勘”とでもいうべき冷静な判断力。メジャー2勝を含めて15勝を積み上げてきた23歳の目から見ても際立った。
その手ごわい相手に対し、4打ビハインドで臨む最終日は2018年「LPGAメディヒール選手権」以来の優勝がかかる。「自分のプレーに集中して、できる限りのことをする。何があるかはわからないけど、その過程で起こることはすべて受け入れて進む」と静かに闘志を宿した。