米国女子ツアーは3試合延期 渋野日向子が出場予定のメジャーも
2020年 ANAインスピレーション
期間:09/10〜09/13 場所:ミッションヒルズCC(カリフォルニア州)
前代未聞の事態 渋野日向子ら先見えぬ五輪の座
前代未聞の事態だ。新型コロナウイルスが世界的な感染拡大を続け、各ツアーの中止や延期が相次いでいる。畑岡奈紗、渋野日向子、鈴木愛を中心に熾烈を極めるはずだった「東京オリンピック」女子ゴルフ日本代表争いにも停滞をもたらしている。
13日午前、国内ツアーは第3戦「Tポイント×ENEOSゴルフトーナメント」の中止を発表した。その数時間前、現地時間12日に米ツアーが世界ランキングポイント配分の大きい海外メジャー初戦「ANAインスピレーション」を含む3試合の延期を発表したばかりだった。
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主催するTポイントと契約を結ぶ渋野は初のホステス大会中止を残念がりながら、「一刻も早く新型コロナウイルスの影響が収束することを、心より願っています」とコメント。直近2年間の成績を対象にポイント計算される世界ランクは、直近の試合の比重が大きい。昨季大ブレークし、2年前にはほとんどポイント加算がない渋野は“全選手試合なし”の状態ならランキングが大きく下がる可能性は低い状況ではある。
春先はメジャー連勝が懸かる「ANA」への参戦を軸に日程を組んできた。無念さは募るが、「また皆様の前で笑顔と元気を届けられるように、引き続きしっかりと調整を続けていきたいと思っています」と前向きな言葉を添えたように、コーチのもとで今後も調整を続けていく予定だ。
賞金女王の鈴木愛は「国内第3戦の中止、そして私自身も楽しみにしていたANAインスピレーションが延期となったことは非常に残念でなりません」とコメントを寄せた。世界ランク日本人3番手で五輪出場圏内の同14位。出場3枠を勝ち取るためには、6月末時点で15位以内にいなければならない。ランク死守のために少しでもポイントを稼ぎたい立場。ファンや関係者を気遣いつつ、複雑な胸中を吐露した。
女子ゴルフ界は2月下旬からの米ツアーのアジアシリーズが中止となり、その後日本ツアーが開幕戦から順次中止を決めている。当初はアジア諸国での感染拡大が懸念されていた中、世界保健機関(WHO)は「パンデミック(世界的大流行)」を宣言。ついに畑岡が主戦場とする米本土での試合でも一気に影響が顕在化した。
“試合なし”の状態が続く選手たちのコンディション面も気がかりとなる。東京五輪女子ゴルフ日本代表の服部道子コーチは「現段階ではどうなっていくのかはわからない、正直、先が読めません。選手たちもきついと思います」と案じた。その上で「いまは耐えるときだと思って頑張って欲しい。いつか春が来て花が咲くように、いずれはきっと(試合が)始まります。難しい状況ですが、いま準備や良い過ごし方ができれば、それは自分の成果に繋がる」とエールを送る。
開催そのものを危ぶむ声も出てきた東京五輪。見えない敵との戦いが続いている。