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2019年 スウィンギングスカートLPGA台湾選手権
期間:10/31〜11/03 場所:ミラマー・ゴルフカントリークラブ

渋野日向子が窮地で放った「ベストショット・オブ・ザ・デー」

◇米国女子◇スウィンギングスカートLPGA台湾選手権 3日目(2日)◇ミラマー・ゴルフカントリークラブ(台湾)◇6504yd(パー72)

34位で出た渋野日向子は4バーディ、5ボギーの「73」で回り、通算イーブンパーの47位に後退した。優勝した8月の「AIG全英女子オープン」以来のツアー通算2戦目は、首位ネリー・コルダに18打差をつけられたが、窮地からの一打が大歓声を呼んだ。

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粘りながら、もがきながら、終盤に放った一打が秀逸だった。ダブルボギーの前日同様に第1打が、右のカート道で跳ねた後半15番。「日本にはないような」深い植え込みに入った。52度でボールをしっかり掻き出し、再びカート道を転がり、木の根元付近の右ラフで止まった。カート道からグリーン左手前の池に入れた前日を彷彿させる。

グリーンに向け、左ドッグレッグになる残り148ydの3打目。ライはティフトン芝が絡みつく左足下がりのラフだ。そこにいた誰もが、大たたきを覚悟した。「池だけは避けよう。右から。右手前のバンカーでも良いと思った。(芝も)もしゃもしゃしているし、しっかり振った」。6Iでクリーンな打球音を響かせ、低弾道でグリーンの右周りを転がした。奥のカラーへ。ボギーとなったものの、拍手が飛び交った。

「若い選手は、失敗が経験になる」と後退を見守る青木翔コーチが、「ベストショット・オブ・ザ・デーですね」とうなずき、「練習では一切教えていない。こういうのはセンス。ただそれは地道な日々の中で鍛えられるものだと思う」と目を細めた。地道な基礎練習を徹底。反復をいとわない教え子の素直さこそ、強みと認める。そんな姿勢があるからこそ、窮地で突如飛び出すような絶妙な“感性”が生まれた。

癖が強いグリーン上の芝に手を焼き、近くに風力発電所があるほど強風。出だし2連続バーディ発進したが「真っすぐなラインを外してから良くなくなった」と後退した。地面が硬く、足には疲労感。「ショットは悪くなかった。一打一打では良いところも。レベルの高さ?それは痛感しますね。わいわい、がやがや、また練習します」と笑顔で言った。結果が伴えば最高だが、失敗も、成功も、今はすべてが経験。来年大会への出場意欲を明かした渋野にとって、たくさんの手土産を、持ち帰ることが収穫になる。(台湾・新北市/林洋平)

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