藤田寛之が16勝目 マスターズへ2度目のリスタート
<中嶋常幸の復活のきっかけは靴と、あの選手と・・・>
靴って、あなどれない。分かっちゃいたけど、あれほどのベテランに言われると改めて、考え直さずにはいられない。中嶋常幸は、昨年7月に左膝の半月板の手術に踏み切り、今は完治につとめる課程の中で、復帰の鍵を握るのが靴というのだ。
昨年から、スニーカータイプのスパイクレスを愛用している。患部に負担がかからず、特に歩行には困難な痛みも「これがあれば、どこまでも歩いていける」と大絶賛のシューズはしかし、ケガが回復に向かってくると、やっぱり本格派を求めるのがプロである。
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先の「関西オープン」では2日目に、思い切ってスパイクレスで戦ってみると、「グリップが、しっかりしていて凄く良い」。また、「飛距離が10ヤードも伸びた」というから驚いた。そんなに違ってくるものなんだ・・・。いや、もちろん超一流ゆえとはいえ、我々アマチュアも足下から見直すべき、と考えさせられたものだ。
続けて「良い材料が揃ってきた」と、手応えも口にした中嶋。またその日は何より、藤田寛之とのラウンドが励みになったという。一昨年の賞金王は「自分のゴルフの全体的なレベルの良い指標になる」と、過去4度の賞金王が、15歳下の選手にも真剣勝負で、「ドライバーも、藤田に打ち勝てた」と無邪気に喜ぶ様子に復活の気配がプンプン匂っていた。
ちなみにAONのNに標的にされた藤田といえば、中嶋から直々に「ありがとう」とお礼を言われても、心中複雑。「それって、どうなんですかねえ・・・」と、首をひねっていた。「そもそも僕は中嶋さんに指標にされるような選手ではないはずですし」と、まずはそこからして半信半疑で「そこって本当に喜ぶところなのか。中嶋さんの本意はどこにあるのか」。
中嶋は以前にも「俺は、藤田みたいなゴルフがしたい。藤田は俺の理想」と言っていたことを加味しても素直に喜んでも良さそうなのだが、そうならないところがまた藤田らしい。若手が台頭する中で、歴代の賞金王たちが織りなす人間模様もまた興味深い。いちど頂点を極めたベテランたちは、何を取っかかりに蘇ってくるか分からないから、やっぱり目が離せない!!