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<“パパプロゴルファー”の奮闘記>

昨日は「父の日」。世間では休日におうちにいて、いっぱい家族サービスをしてくれる父親こそが「良いお父さん」。しかしプロゴルファーには当てはまらない。先日は宮城県の小学校で講義を行った宮里優作も言っていたけど、「僕らが日曜日に家にいると、家族の中でもちょっとまずいな、ということになるんです」。

土・日に家にいるプロゴルファーは、言わずもがなその週は、つまり予選落ちをして収入ゼロということ。子どもたちも物心がつき始めれば、その辺の事情が分かってくるから成長とともに、ますます週末の居心地が悪くなる。稼げないお父さんは、威厳を保つのも難しくなってくる。歳を経るごとに、役職が上がっていくサラリーマンとは逆に加齢とともに、年々活躍が厳しくなっていく職業だからなおさらせつない。

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先月、47歳を迎えた鈴木亨は、「ついに僕よりも、娘のほうが仕事が忙しくなってしまった」と笑った。5月28日の誕生日に「私も20歳になるからデートしようね」と、お祝いのメールをくれた長女の愛理さんは、「℃ーute(キュート)」のメンバー。売れっ子アイドルには「デートする時間を作ってね」と、涙ぐましい返信メールを送ったと打ち明けた。
「去年までは僕のほうが忙しかったんだけどねえ・・・」と、苦笑したお父さん。

94年から18年間の賞金シード権の保持は、シード選手の中では最年長記録の保持者だった鈴木が、とうとう賞金シード落ちを喫したのは2011年。生涯獲得賞金ランキング25位内の資格を使って復活を期した昨季も、怪我の影響もあって失敗。
とうとう出場権すら失って、今季はチャレンジトーナメントを主戦場に頑張っている。

ちょうど“バースデーウィーク”と重なったダイヤモンドカップでは、ツアー通算8勝を誇る選手が、生まれて初めてとなる“現地ウェイティング”も経験。大会直前に欠場する選手の空き枠を狙ってトーナメント会場で出番を待つ制度で、その週の鈴木はまさに、初日の朝に出場が決まるというドタバタだった。

プロ2年目の川村昌弘のピンチヒッターとして、きゅうきょ“登板”した鈴木は「こんなことプロになって初めてのこと」と、ジュニア時代からエリート街道を歩き続けた選手が50歳を目前にして、89年のデビュー当時にもしたことのなかったような経験に戸惑いながらも、当日はもしもの時に備えて3時間以上も前から練習をして、いつでも実践に臨める準備をしていたといい、急なチャンスを生かして初日は2位タイと、上々の滑り出しをした。
「今回の会場は関東で、家からも近いから練習もかねて待ってみよう」と、千葉県に構える自宅から、駆けつけた甲斐はあった。

実は、この週は誕生日の前日の27日月曜日に行われたマンデートーナメントにも挑戦していたが、1打差で落ちていた。“再挑戦”の「ウェイティングでも、あとひとりでダメだろうと思っていた」と、諦め半ばの中にも、希望を捨てるわけにはいかなかった。
「確実に試合に出られる状況ではなくなって、チャンスをものにしていかなくてはいけなくなったのも、今年が初めての経験」というベテランを支えているのはやっぱり、「威厳のある父親でいたい」という思いだ。

「娘は若くてチャレンジする立場で、自分は枯れていく立場」と、哀愁の笑みを浮かべながらも「息子もゴルフをはじめたので」と、長男・貴之くんにもその背中を見せ続けていくためにも「リベンジに、駆けている」という鈴木。お父さんは、まだまだ枯れ果てるわけにはいかないのだ。

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