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2013年 タイランドオープン
期間:03/14〜03/17 場所:タナシティゴルフ アンド スポーツクラブ(タイ)

プレーヤーズラウンジ

<プレー中の選手が看板を運ぶ!? 海外で戦う上での処世術とは・・・>

お国が変われば、習慣も変わる。文化も、ルールも変わる。そんなことは、分かっている。分かっちゃいるけど、あれにはちょっと驚いた。あんな光景は初めて見た。ところはタイ。「ジャパンゴルフツアーアジアシリーズ」として今年、ワンアジアと初の共同主管で行われた「タイランドオープン」での出来事である。

会場入りしたときから、違和感はあった。

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開催コースのタナシティゴルフ&スポーツクラブは本番が近づくにつれて、あちらこちにやたらめったら看板が増えていく。いや、もちろん多いのはけっこうなことだ。それだけ、各企業の名前の露出が増えるということだし、スポンサーを大事にしているという姿勢が伝わってくる。

ただ、問題はその設置場所で、ちょうど選手が打ってくる方向に向かって、まるでその行く手を阻むかのように、そびえ立っているのだ。テレビ映りを第一に考えてのことらしい。
頑固なまでポリシーは見習うべき面もあろうが、それでもこのままでは競技の進行に差し支えることは、目に見えている。

開催までにJGTOのスタッフが、出来るだけ撤去するように頼み込んだのだが、それでも全部、とはいかずにところどころ残ってしまった。そのまま大会は開幕したのだが、案の定、トラブル発生は免れず、写真のようなシーンがあちらこちらで見られるようになってしまった。

ちなみに、看板を運んでいる右側は選手。池の縁ぎりぎりに立っていた看板に、見事にボールを命中させてしまった選手自らが、重たい看板を撤去している。ワンアジアで活躍している選手はそんなこと慣れっこのようで、文句ひとつ言わずにこのあと普通にプレーを続行していた。

大会は共同主管といっても、今回のホストツアーはあくまでもワンアジア。そちらのルールで動かないとしょうがない部分もあって、それにいちいちカリカリしていては、とてもじゃないけどやっていけない。それも海外で戦う上で必要になってくる処世術というやつなのだろう。

ちなみにこのあと、やっぱりここでは選手のプレーの邪魔になるからと、その場に居合わせた日本人の記者のみなさんにも手伝ってもらって、看板を倒したままの状態でグリーンの端っこまで運んでいただいたのだが、再び数時間後に同じ場所に戻ってみたら、看板が律儀にも元の位置と寸分違わぬ場所に立っていた。きっと、現地のスタッフが「けしからん!」と憤慨しながら看板を戻したのに違いない。まさに、いたちごっこである。

3日目には、谷原秀人も被害に遭った。本来ならばまっすぐにグリーンに向かって着弾するはずだった完璧な一打が、飛球線上にあった看板に直撃。池に沈んだ。しかも、マーカーの選手に不利な場所からの打ち直しを求められ、ダブルボギーを打ったが、淡々と上がってきた谷原は「まあ、しょうがないでしょう」とさばさばとしていた。

アジアンツアーでも経験豊富な谷原は、「こんなのこっちじゃ日常茶飯事。いちいち怒っていたらキリがありませんよ」。そして最終日には盛り返して日本人最高位のトップ10入りに、なるほど、こちらで言う本当の強さとは何かを改めて教えてもらった気がしたものだった。さて、お次の舞台はインドネシア。次はどんな奇想天外な展開が待っているのやら・・・。

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