池田勇太、石川遼の最終組に割って入る手嶋多一の心境は?
2010年 中日クラウンズ
期間:04/29〜05/02 場所:名古屋ゴルフ倶楽部 和合コース(愛知)
石川遼が二度目のお披露目!
火曜日の練習日から数えれば、日曜日の最終日まで6日間。その間、1日として同じウェアを着る選手は、まあいないと言っていい。そればかりか、一度着たウェアは二度と着ないという選手のほうが、おおかただ。
まして、ゴルフファンばかりか、日本全国から注目を集める18歳。しかも、ツアーきってのおしゃれさんは、どの勝負服も印象深いデザインで、一度着たら、絶対に覚えられてしまう。
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いや、もちろんそういう理由で、同じウェアを着ないわけではないだろうが、一見、色や形も一緒に思えるウェアも、微妙にラインが違っていたり、大好きな赤パンツも脇線にテーピングが施されていたり、細かなところで変えてある。
それは、契約メーカーの戦略でもあり、選手が最新のデザインを、より格好良く着こなしてくれることで、企業のイメージも格段に上がるというわけだ。
もちろん、その中でも評判の良かったコスチュームには、問い合わせが殺到する。
今年のヒットはやはり、マスターズ。
大会のイメージカラーに合わせた緑を基調にしたコーディネイトは石川にとっても「お気に入りの一着」。
しかし、それはオーガスタ限定のデザインと本人も思っていたから、国内ツアーは第3戦の中日クラウンズでスタッフに、「もう一度、着てみる?」と聞かれたときは、「“また着ていいの!?”と、びっくりしたと同時に嬉しくて。すぐに“着ます”と即答した」という。
「ヨネックスの方によると、もう一度あのウェアが見てみたい、というファンの皆さんのリクエストが、思いのほか多かったからなんだそうです」(石川)。
そんないきさつで、異例の二度目のお披露目となった。噂のコスチュームをテレビ中継でしか見られなかったおおかたのファンは、大喜びした。ロープの外から聞こえて来るひそひそ声が、それを物語っていた。
「あの服ってマスターズで着てたやつだよね!?」と、口々にさざめきあったのが初日の話。さらにとんでもないことをやってのけたのが、その3日後。さざめきは、最終日には感動の嵐に変わった。1ラウンド58のツアー新は、世界6大ツアーを見ても例がない。
賞金王の翌年に、まずは待望の今季1勝となるツアー通算7勝を、これ以上ない形で実現させた。姿形が格好いいだけじゃない。本業のゴルフでも、期待を大きく上回るプレーで魅せる。恐るべき18歳。遼・伝説は止まるどころか、一気に加速していくばかりだ。