選手コメント集/中日クラウンズ最終日
ツアープレーヤーたちのライバル関係<宮里兄弟>
先週の中日クラウンズ。片山晋呉が45回の記念大会を制した日、同じく“記念の日”を迎えた2人がありました。宮里兄弟です。実はその最終日に、兄・聖志と弟・優作がプロ入り後、初の同組対決を果たしたのです。日ごろから「一度、同じ組でまわりたいね」と話していた2人は、前日3日目のうちに同じペアリングになることが決まった瞬間に、固い握手。
同じ組み合わせでないときでも、いつもスコアで競いあっていた兄弟は、「いよいよ直接対決だ!」と張り切って、スタートしていった2人だったのですが・・・。その結果は、「てんやわんやでした・・・」(聖志)。
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というのも、仲のよい兄弟であると同時に、一番のライバルでもある2人はこの日は対スコアの戦いというより、「どちらがいかに、ピンの内側につけるか」という“技と技の真剣勝負”になってしまったようなのです。
ラウンド中はすごく燃えたし、兄弟そろってプロの試合で戦える幸せも感じました
「とにかく、相手に負けたくない」(聖志)という思いから、危険をかえりみず、無理を承知でピンをダイレクトに狙っていったり、「お互い、すっかりイケイケのゴルフになってしまって・・・」(同)。
そんな無謀なラウンドのつけがまわって、兄・聖志は12番から4連続ボギーに加え、16番ではなんとトリプルボギーを打って8オーバー66位の最下位。弟・優作は、4番、5番で連続ダブルボギーを打つなど、3オーバー52位。散々な結果となってしまった兄弟初の同組ラウンドだったのでした。
「・・・スコアはぜんぜんダメだったけど、ラウンド中はすごく燃えたし、こうして兄弟そろってプロの試合で戦えるってことに大きな幸せも感じましたね」とは、いつも底抜けに明るい兄・聖志の弁。
一方、人一倍負けず嫌いの優作は、最終日にスコアを伸ばせなかった悔しさをにじませながらも「兄が試合ではどんなショットを打っているのか、ずっと見たいと思っていたし、僕らには似ている部分があるから、勉強になる部分が多かった。・・・でも、次回はぜひ、プレー中に会話さえできないような緊迫した位置(最終日最終組)で、一緒にまわりたいものですね」。
そんな2人が目下、共通の目標として掲げるのは、女子ツアーで大活躍の妹・藍さんに負けない存在感で「男子ツアーを盛り上げていくこと」。この決意を新たにした、今回のラウンドとなったのでした。尾崎3兄弟に続く、次世代の“兄弟プロ”として、大きく成長していってほしいものですね。
トーナメントで起こったルール裁定の実例
<中日クラウンズ編>
「え!ぺナルティですか?」
1日目、5番ホール(パー4)のグリーン上において、マークしたコインを動かしてしまい、どのような処置が正しいか解らず競技委員要請となる。
立ち会った競技委員がどのような行動の中でマークを動かしたかを尋ねた。
プレーヤーは「球を拾い上げるにあたって、球の後ろにコインを置き球を拾い上げキャディに拭かせていた、この間反対側からラインを見て戻ってくるときに持っていたパターを振り子のようにブラブラさせてマークの近くに来たとき、マークとして使用していたコインをヒットしてしまい10センチ程ではあるが動かしてしまった」との事であった。
競技委員の裁定は、球をマークしたり、マークした所に球をリプレースする中での動きで誤ってマークに使用していたコインを動かしても罰は無いが、今回のケースは別な行動の範囲においてマークを動かしたとして規則20-1または規則18‐2aにより1ぺナルティで前にあった箇所にマークをもどしてのプレーとなった。
読者の皆さん、マークやリプレースの動作以外のときはくれぐれも慎重にして下さい。