ポール・シーハン、今季最終頂上接戦を制したのは前向きさを忘れないオージー!/カシオワールドオープンゴルフトーナメント
今季初優勝!!<谷口徹> カシオワールドオープンゴルフトーナメント
2005/11/28 12:00
最終日は序盤で4打差つけながら、7番からの連続ボギーで自ら混戦模様に。
「・・・さすがに動揺したけれど。最後まで、ポジティブでいられたのがよかった。最後まで諦めないで、本当によかった」。
この大会を迎えるまでは、今季未勝利で賞金ランクは37位。ここ5年で一番の低迷も、「さらに高くジャンプするためには仕方のないこと」と、思っていた。
全米オープン、全英オープン、全米プロ。今年、出場した海外メジャー3戦でいずれも予選落ちをし「限界を感じた」。
さらなるレベルアップを求めてスイング改造に着手したものの、思うようにいかずに結局、断念。
「でもそれも、より向上するためにやったこと。何もしないよりはずっと成長があるし、その結果なのだから恥じることはない」。
そう自分に言い聞かせていたものの、やはり1勝もできないまま終わるのでは「良い気持ちはしなかった」。
2002年の賞金王としてのプライドが、収まらない。
「今週は必勝態勢。優勝できなければ、今年はもうだめ」そうまで思いつめてのぞんだ最後のチャンス。
1打差で迎えた18番パー5は、あえてグリーン手前のバンカーを狙う戦略で、1.5メートルにつけてバーディで逃げ切った。
満員のギャラリーに向かってガッツポーズで答えた瞬間、万感の思いがこみ上げた。
25回大会の舞台となった高知県は、カシオ計算機株式会社の創業元・樫尾家の出生地でもある。主催者ゆかりの地は、谷口にとっても思い出深い場所であった。
ツアー初優勝をあげた98年の三菱ギャランの開催地が、やはり高知県。
しかも、今大会の会場となったKochi黒潮カントリークラブにもほど近い土佐カントリークラブだった。
自身の“出発点”と呼んでもよい場所で、今度は区切りのツアー通算10勝目。
「・・・高知県、忘れられない土地になりそうです」。
約1年ぶりの優勝スピーチに涙をにじませ、地元ファンに深々と頭を下げた。