ツアープレーヤーたちの正念場<シード権争い>
2009/11/09 11:21
男子ツアーに本格的な世代交代の波がやってきた。ある中堅選手が、「僕らのときには10代や20代で賞金王を争うなんて、想像もつかなかった」と話したように、賞金レースは23歳の池田勇太と18歳の石川遼の対決の構図がますます色濃くなるなど、今をときめく2人の勢いは、とどまるところを知らない。
また、25歳の額賀辰徳が初シード入りを決めるなどシード選手の顔ぶれも、平均年齢が軒並みアップしている。新たに入ってくる選手がいるということは、それ分だけ弾かれる選手もいるということである。「うかうかしていられない」と言った選手がいた。
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また矢野東も「明らかに遼が男子ツアーの底上げをした。カットラインのスコアも軒並み上がっており、去年までのイメージでプレーしている選手は確実に置いていかれる」と言ったとおり、今年はシード落ちや出場権を失う可能性のある選手の数が近年、希に見ないほど多く、シーズンも残り5試合となったいま、華やかな賞金王争いの影で戦々恐々とした空気が漂っている。
中でも、これまでシード権の常連だった選手の不振が目につく。97年の初シード入りから、12年間出場権を守ってきた佐藤信人もそうだし、11年連続の小山内護もまたしかりだ。プロ14年目にして、小山内がようやく気がついたことがある。
「ゴルフは、いかにアプローチとパットが大事か」。
2000年と、2004年から3年連続4度のドライビング王に輝いた飛ばし屋は、豪快な飛距離を武器に、まさに怖いもの知らずのゴルフを続けてきた。
「小技が下手でも今まではショットでなんとかなった」。
しかし、その最大の武器にかげりが見え始めると、たちまちスランプにはまった。
「長く上位にいる選手はみんな、小技でスコアを作っている」。
そう気がついて、今年は10月頃からホールアウト後に「今まで練習したことがなかった」というショートゲームの練習に、まずは時間を割くように心がけているというが、シーズンもほぼ終盤を迎えて少し遅すぎた。
「今からギリギリの(出場権が与えられる上位)70人にかじりつくのは無理だと思っている」と、小山内は言う。
「今さらギリギリでしがみつこうとしても、絶対にシード権は守れない」と、分かっているからだ。
だから、実質残り3戦の目標は「こうなったら、でっかくトップ10入り」という。
「ダメならダメ。行くなら思い切って行く。そのどちらかしかないから」。
そのためにも、「これからは毎週、確実に予選通過することを目指していく。決勝にさえ残れたら、爆発するチャンスはきっとあるから。最後まで諦めない・・・!!」。
賞金レースを横目に、まさに生活をかけたそんなシビアな戦いもある。
石川をきっかけに、ゴルフに目覚めた方もいれば、石川が生まれる前から活躍している中堅やベテラン選手には、昔なじみのファンも多いだろう。
シード権争いの選手たちにも、ぜひ暖かいご声援を・・・!!