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<“クレージーガイ”が見せた男の優しさ>

本当は泣かなくても済んだかもしれない。だけど泣いて吐き出したからこそ吹っ切って、また歩き出せるのかもしれない。先週の「カシオワールドオープン」で、初日8位タイにつけながら、2日目に78を打ち、予選落ちを喫したアマチュアの大堀裕次郎さん。来季のプロ転向を目指す期待の大学4年生には容赦ない洗礼だった。2日目も朝から快調に飛ばして通算5アンダーは一時は首位に飛び出したのだが、その直後の13番パー4だ。

ティショットを右にOB。「1打目を引きずった」と、打ち直しの3打目もまたOB。もはやその時点で打ちのめされてしまった大堀さんは、精神的にも「ラインを読めるような状況じゃなかった」と、4パットの「10」を叩くのだ。さらに16番のパー3ではバンカーから打った2打目を池に入れてトリプルボギーに、放心状態で上がってきた大堀さんを励ましたのが今田であった。

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若者の肩をそっと抱いて、何かを大堀の耳元でささやいたとき、大堀さんの目から一気に涙が堰を切った。米ツアーでは、他の選手のキャディバッグにこっそり練習ボールの山を流し込んだり、2006年に丸山大輔が米ツアーに参戦した際にも親切に通訳をしてやっているかと思ったら、まったく違う風に訳していたりして「ひどい目にあった」(丸山)。もちろん、大勢にはなんら差し支えない範囲ではあるのは当然だが、ブラックなユーモアとジョークで米ツアーの選手たちからも「リュージはクレイジーな男だ」と言われるほど。

そんなやんちゃな男が垣間見せた思いやり。世界を見てきた大先輩からの言葉が大堀さんの心に染み渡った。米ツアーは2006年に初優勝をあげた雄も今季はシード権の確保に失敗。稼ぎ場所を求めてこの秋は日本ツアーでも規定の6試合の主催者推薦を受けて参戦したが、母国でのシード入りもかなわず「来年のことは、まだ何も決まっていない」と、自身も厳しい境遇にいる中で見せた後輩への優しさだった。

当面は、米ソニーオープン・イン・ハワイでの推薦出場が確定しているだけ。日本での“今季最終戦”となったカシオワールドオープンでも「今は、何も考えられない」と、ひとまず去った。

「今年は元気な姿をファンのみなさんにお見せできていない。また元気な姿で戻ってきたい」と今田は言い置いて帰っていったがそんな今田があの日、傷心の肩を抱いてくれたことを、大堀さんはきっと一生忘れないと思う。今田も、大堀さんもあの日を糧に、絶対にまた這い上がってきて欲しい。

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