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ツアープレーヤーたちの内助の功<谷原秀人>

スポーツ選手の結婚は、もちろんおめでたい話ではあるが、実は本人たちには同時に不安もつきまとう。サラリーマンと違い、白黒はっきりと成果がつく勝負の世界だけに、途端に成績が下がればたちまち周囲から「嫁が悪いのではないか…」との勝手な憶測が囁かれてしまうことは避けられない。

昨年、絢香さんとゴールインした谷原秀人とて、そんな懸念とは無縁でいられなかったようで7月の入籍後は「結婚してダメになったと言われたくない。彼女のためにも早く結果を出したい」と、折りに触れて話していたものだ。

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もっとも、彼の場合はすぐにそんな心配も吹き飛ばした。9月の「アジアパシフィック パナソニックオープン」で、結婚直前の5月の「マンシングウェアオープンKSBカップ」に続く年間2勝目。目標にしていた初の賞金王にこそ届かなかったが、内助の功をみごと証明してみせたのだ。

そんな絢香さんの“あげまんぶり”は、海外にも届いていたようだ。新年早々に行われたアジアVS欧州の対抗戦「ザ・ロイヤル・トロフィ」でのことだ。

2ポイント先取に沸くアジアチームは、代表してキャプテン尾崎直道とタイのプラヤド・マークセン、そして谷原がホールアウト後の会見に臨んだ。韓国のS.K.ホとのフォアサム競技で欧州チームのニック・ドハティオリバー・ウィルソン相手に大接戦の末に、1アップの勝利を収めた谷原に、開催地の地元紙バンコクポストの記者からこんな質問が飛びだした。

「谷原さん、あなたは結婚された昨年には日本で2勝。そして今日も奥様がコースに応援に現れるなり勝ち星をあげられました。やはり、あなたもご夫人が“勝利の女神”であると思われますか?」。

確かにその週火曜日に、現地入りした途端に風邪を引いてしまった絢香さんは連日頭に氷を置いて、「早く治して応援に行きたい」と、大会前日まで宿泊先の「シェラトン・グランデ・スクンビット」で回復につとめてきた。

その甲斐あって高熱も、本戦が始まると不思議と引いて、タイに来て絢香さんが初めて会場に来られたのが大会初日だったのだ。

まさに愛妻の声援を受けての快進撃!それにしてもまさか、タイに来てまでそんなことを聞かれるとは…。予期していなかった質問に目をシロクロさせていた谷原だったがそれでも冷静に答えた。

「確かに、結婚したことで優勝に対する意欲がますます出てきたし、彼女のためにも良い成績を残してあげたいっていう気持ちが良い方向へ作用しているのは確かです」とまずは記者の言う“女神説”を肯定するコメント。

しかし、次の答えでは一人のプロとしてのプライドも忘れなかった。「…でも、僕だってそれだけの練習やトレーニングをしているし、それだけの結果が出てもおかしくないと思えることをしてきていますからね」。確かに昨年の活躍も、家族の支えがあってこそ。しかし男たるもの、それにも増して「自分の努力の成果である」と、ひとこと言っておきたかっただろうし、そう堂々と胸を張って言えるだけのことをしているという自負もあったのだと思う。

今回のチーム戦では年長の谷口徹を立て、最年少の石川遼を無言のエールで励まし、ダブルス戦で組んだS.K.とは互いに相手を思いやり、ミスをフォローし合い絶妙のコンビネーションで貢献した。その末につかんだ大会初勝利に「このチームでみんなと戦えたことを誇りに思う。みんなには、心から感謝したい」としみじみと語った30歳の表情には、円熟期にさしかかった選手ならではの凛々しさに溢れ、さらなる活躍を予感させたものだ。さてそんな谷原が今年こそ、初の賞金王で愛妻の献身に報いるか・・・。新しいヒーローの誕生を、みんなが待ちわびている!!

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