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サウジ初の女子プロ目指す39歳 「文化は少しずつ変わってきている」

◇欧州女子◇アラムコ・サウジレディース・インターナショナル◇ロイヤルグリーンズG&CC(サウジアラビア)◇6295yd(パー72)

真っ黒な民族衣装「アバヤ」を身にまとい、肩にはテーラーメイドのゴルフバッグ。初めてトーナメント会場を訪れたハムダさんは、開幕前日のプロアマ出場者として招待されたサウジアラビアのナショナルチーム1期生だ。ゴルフ歴2年目の39歳、同国初の女子プロゴルファーを目指している。

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「スポーツは男性だけのものだったけど、今はすべての人にオープンになった」。厳格なイスラム教の決まりで、数年前まで女性のスポーツ活動は厳しく制限されていた。ハムダさんが初めてゴルフクラブを握ったのは約1年前。本大会スポンサーのアラムコ社が立ち上げた、女性のためのゴルフプログラム「レディース・ファースト・クラブ」に参加したことがきっかけだった。

2020年にスタートした同プログラムは、メンバーに無料のゴルフレッスン、ドライビングレンジや提携コースの利用などを提供している。1000人近くの参加希望者の中から、サウジ初の女子ナショナルチームが誕生した。同社のスポーツ事業担当者は、「サウジは男子も19年に初のプロゴルファーが出たばかり(オスマン・アルムラ)。女子競技は最近ようやくスタートしたところで、これから競技者をどんどん育てていきたい」と期待を寄せる。

現在、サウジ国内で女子チームを持つスポーツ連盟は30前後。女性にスポーツが解禁され始めたのは最近のことで、18年はサッカーのスタジアム観戦が可能になったことが世界的に報じられた。「今は学校でもスポーツを教えていて、チームに入ることを国がサポートしてくれる。私たちはとてもラッキー」とハムダさんは笑った。

「昔は文化的な問題でスポーツができなかったけど、それも少しずつ変化している。ゴルフに本腰を据える前は、フットボールとバスケットボールにも挑戦したの」。法的に義務付けられていた「アバヤ」着用も、今では個人の自由になった。ハムダさんは自らの選択でアバヤをまとってコース入り。撮影をお願いすると、「素顔を写すのは信仰上NGだから」と黒いマスクをつけてから、豪快なドライバーショットを見せてくれた。

「こんな年齢から始めたけど、年や性別に関係なく何に挑戦してもいいと思う。今は、サウジで最初の女子プロになれたらとてもうれしい」。民族衣装の下には、新時代を担うエネルギッシュな笑顔が隠れていた。(キング・アブドラ・エコノミック・シティ/谷口愛純)

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