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国内男子〜全英への道〜ミズノオープン at ザ・ロイヤルGCの最新ゴルフニュースをお届け

佐藤信人の視点 勝者と敗者

モンスターグリーンを制した自信とプライド

「ミズノオープン」の最終盤は、結果的には池田勇太選手とチャン・キム選手(米国)、二人の一騎打ちの様相を呈しました。

ティショットの飛距離に関しては、キム選手の方がやや上(※同大会ドライビングディスタンス:池田勇太 306.5yd/22位、チャン・キム 326.0yd/3位)でしたが、アイアンやアプローチの正確性など、ショットの精度はほぼ互角。唯一の勝因を挙げるならば、パッティングの差だったように感じます。

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ザ・ロイヤルゴルフクラブ(茨城)は、海外メジャーのセッティングかと思えるほど、速くて硬いグリーンに仕上がっていました。波を打った傾斜を頭に入れつつ、タッチと方向性を計算し、ラインを読み切らなければコロコロと意図せぬ方向へ転がり落ちる。8000ydを超える距離を題して“モンスターコース”と呼ばれましたが、本当の意味で選手らが恐れたのは、日々異なる顔を見せた高速グリーンだったかもしれません。

最終日、そのグリーンに手こずったのはキム選手でした。前半だけで3mほどのチャンスパットを何度も外し、トップの池田選手を追い詰めきれない状況が続きました。一方で池田選手は6番(パー4)での3パット以外は、今大会で採用した「L字パター」を駆使し、絶妙な距離感と繊細なタッチで難なくホールを消化していきました。

前日に「66」という驚異的な数字をたたき出し、期待も注目も集まるなかで、しっかり気持ちを切り替えていた池田選手。好スコアを残した翌日というのは、前日のイメージに引っ張られるため、好調をキープするのは難しいのですが、客観的に見ていても池田選手が負ける要素をどこにも見つけることができませんでした。

彼のプレーは技術力もさることながら、上位争いを繰り広げたキム選手ら海外勢と比べても“一枚上手”と思わせる、何か威厳のようなものを感じとれました。「(国内なら)勝つのはオレ」と言わんばかりの威風堂々たる姿。今大会の勝利でツアー通算21勝、歴代2位に並ぶ11年連続優勝という自信とプライドが、彼をそのように見せていたのかもしれません。

「今季は『マスターズ』も『全米オープン』も出られなかったので、なかば海外(メジャー挑戦)は諦めていた」と試合後に話していましたが、「全英オープン」の切符を手に入れたいま、一大会に焦点が絞れた分で大いに力を発揮してほしいと思います。

海外メジャーの成績は、2010年に初出場した「マスターズ」29位が最高位。まだまだできる。彼自身の中だけでなく、我々の目にもそのように感じとることができます。今大会で見せた自信やプライドを、ロイヤルポートラッシュのグリーンでも見せてほしいと思います。(解説・佐藤信人

佐藤信人(さとう のぶひと)
1970年生まれ。ツアー通算9勝。千葉・薬園台高校卒業後、米国に渡り、陸軍士官学校を経てネバダ州立大学へ。93年に帰国してプロテストに一発合格。97年の「JCBクラシック仙台」で初優勝した。勝負強いパッティングを武器に2000年、02年と賞金王を争い、04年には欧州ツアーにも挑戦したが、その後はパッティングイップスに苦しんだ。11年の「日本オープン」では見事なカムバックで単独3位。近年はゴルフネットワークをはじめ、ゴルフ中継の解説者として活躍し、リオ五輪でも解説を務めた。16年から日本ゴルフツアー機構理事としてトーナメントセッティングにも携わる。

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2019年 〜全英への道〜ミズノオープン at ザ・ロイヤルGC



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