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佐藤信人の視点 勝者と敗者

沖縄開催の意義 硬い芝が演出する“世界基準”のコース

国内男子◇HEIWA・PGM CHAMPIONSHIP 最終日(5日)◇PGMゴルフリゾート沖縄 (沖縄)◇7005yd(パー71)

「平和PGMゴルフ」は、日本ゴルフツアー機構(JGTO)の青木功会長が改造・改修した新コース「PGMゴルフリゾート沖縄」で開催されたことで注目を集めました。

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青木会長が監修したことはもちろんのこと、私はこの大会が沖縄で行われたという部分に大きな意味があるように感じます。

それは沖縄のコースが、“世界基準”のコンディションであるという現状です。世界基準というと、どうしても18ホールのヤーデージ(距離)の長さを思い浮かべる人が多いのですが、それよりも地面(芝を含めたコンパクション)の硬さを挙げたいと思うのです。

風も確かにコースを難しくさせる要因ですが、軟らかい芝のグリーンであれば、ある程度の距離感をつかめて攻めることができます。ですが、硬い芝のグリーンでは、ランも考えながら強風を読んでボールを運ぶ必要があり、状況はそうとう過酷なものとなるのです。

今回の「PGMゴルフリゾート沖縄」を含め、沖縄のコースはほとんどが高麗芝やバミューダ芝といった、硬い品種の芝で構成されています。一方で本州の多くのゴルフ場では、軟らかくてスピンがかかりやすいベント芝を採用しているグリーンが多く、高麗芝やバミューダ芝は少数です。

ことしの国内男子ツアーは沖縄での試合が2大会(「平和PGMゴルフ」と宮里優作選手が優勝した「日本プロゴルフ選手権」)と例年より多いのですが、昨年以前では2012年の「日本オープン」以来、沖縄での大会はありませんでした。

海外に目を向けると、「全英オープン」など欧州のコースはもちろん、米ツアーでも最近では芝が硬くて速いグリーンが多くなっています。今後、米ツアーや欧州ツアーを視野に入れた選手たちが経験を積むには、沖縄での試合は非常に意味があるわけです。

これまで過去20年ほどをさかのぼると、沖縄開催の大会で勝利をおさめた選手は、長年国内の第一線で戦いながら海外でも活躍を見せた実力者ばかりであることに驚きます。

田中秀道選手(1998年「DDIグループ沖縄オープン」)手嶋多一選手(1999年「ファンケル沖縄オープン 」)片山晋呉選手(2000年「ファンケルオープンin沖縄 」)藤田寛之選手(2002年「アジア・ジャパン沖縄オープン」)谷原秀人選手(2003年「アジア・ジャパン沖縄オープン」)伊澤利光選手(2007年「日本プロゴルフ選手権」)久保谷健一選手(1997年「大京オープン」、2012年「日本オープン」)。そして「平和PGMゴルフ」で優勝したチャン・キム(米国)選手や2位に入った池田勇太選手、ソン・ヨンハン(韓国)選手といった顔ぶれを見ると、“やはり”と納得してしまいます。

国内選手たちが世界基準で戦える場。今後も年に一度は沖縄での大会を開催してほしいと切に望みます。(解説・佐藤信人)

佐藤信人(さとう のぶひと)
1970年生まれ。ツアー通算9勝。千葉・薬園台高校卒業後、米国に渡り、陸軍士官学校を経てネバダ州立大学へ。93年に帰国してプロテストに一発合格。97年の「JCBクラシック仙台」で初優勝した。勝負強いパッティングを武器に2000年、02年と賞金王を争い、04年には欧州ツアーにも挑戦したが、その後はパッティングイップスに苦しんだ。11年の「日本オープン」では見事なカムバックで単独3位。近年はゴルフネットワークをはじめ、ゴルフ中継の解説者として活躍し、リオ五輪でも解説を務めた。16年から日本ゴルフツアー機構理事としてトーナメントセッティングにも携わる。

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