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「一番苦しかった」鈴木愛は絶望からの逆転優勝

◇国内女子◇ほけんの窓口レディース 最終日(13日)◇福岡CC和白コース(福岡)◇6292ヤード(パー72)

通算7アンダーで3人が並んだ最終ホール。賞金女王・鈴木愛は残り83ydを「1mちょっと」にぴたりとつけてバーディフィニッシュ。後続を振り切って、自身初の大会連覇と年間3勝目を成し遂げると、グリーン上で満面の笑顔をみせた。

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朝から降ったり、止んだりを繰り返していた5月の雨は、後半に入ると勢いを増してコースを叩いた。1打差の首位から出て2つのバーディを先行させたが、8番以降に2ボギー。15番でチップインバーディを奪った菊地絵理香が通算9アンダーとし、同ホールでボギーとした鈴木はスタートから1つ落として通算7アンダー。「絶望的になった」と、残り3ホールで2打のビハインドを背負ってしまう。

だが、ゴルフは最後までわからない。「バーディ合戦よりも我慢するゴルフが得意」という鈴木が16番、17番と着実にパーを重ねる一方で、菊地はその2ホールを連続ボギー。2組前で4つ伸ばして先にホールアウトしていたアン・ソンジュ(韓国)とともに、3人が通算7アンダーで並んで最終18番を迎えた。

傘をさしたり、何度もクラブのグリップを拭いたりしながらのプレー。だが、賞金女王はレインウェアが体にくっつくことを嫌がって、半袖シャツでプレーを続けた。今オフに重点的に取り組んできたショートゲーム。18番(パー5)の3打目は、フェアウェイ右サイドから54度のウェッジを握って1mへ。菊地が6mのバーディパットを外した後、鈴木のための舞台が整った。

「これを外したら、たぶんもうチャンスにはつけられない。外したら私は負ける」と集中力を高めたウィニングパット。2日目のラウンド後も、遅くまで練習を続けてきた距離だった。「きのうも夕方までずっとずっと練習して、良い感じで打てていた。しっかり決めたラインにヒットできるように、練習通りに行こうと思った」というパットは、真ん中からカップに沈んだ。

膝と手首の痛みに、強い雨という難コンディション。「身体もそうだけど、こんなにドシャ降りになるとは思ってもいなかった」という過酷な1日の果てに掴んだ勝利。「いままで一番苦しかったというか、絶望的な中で逆転できたことは、初優勝のときと同じくらいに忘れられない優勝になった」と、新たな地平に目を輝かせた。(福岡県福岡市/今岡涼太)

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