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初優勝の永井花奈 手作りの車庫練習場が強くした

2017/10/29 15:45


◇国内女子◇樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメント 最終日(29日)◇武蔵丘GC(埼玉)◇6580yd(パー72)

前日からの降雨で最終日の中止が決定し、2日目を終えてトップにいた20歳の永井花奈がタイトルを手にした。思わぬ形での初優勝に驚きを隠せず、家族とともに出席した表彰式で「予想外の中止だったけど、本当にうれしい」と涙を流した。

大粒の雨で、第1組ティオフ直後の午前8時9分に中断。「やる気持ちでいた」と、気持ちは切らさなかった。マスター室前のベンチで待機しているとき、正式アナウンスの直前にカメラマンに取り囲まれた。止まないシャッター音に緊張の糸はほどけ、自然とほおが緩んだ。「正式に(中止とは)聞いていなかったけど、なんとなく分かっちゃった」とおどけた。

アマチュア時代の2014年「日本女子オープン」で3位。昨年プロテストトップ合格を果たし、今季から本格参戦した。先輩選手からは「順調だよ」と励まされるが、予選落ちを味わうたび、父でコーチの利明さんと衝突した。「パパが悪いよ」「それじゃダメだ」。親子の声は良く響いた。

かつてプロを目指した父の手ほどきを受け、6歳でクラブを握った。両親は東京都内でラーメン屋を営みながら、支えた。「都内は高いから」(利明さん)と、自宅に作った六畳ほどの車庫が昔からの練習場だった。狭かったが、雨風をしのぎ黙々とウェッジを振った。

予選落ちした前週。大会の会場に居残り父と確認したのも、ウェッジの距離感。「飛ばそうという意識でスイングが悪い」と父から指摘を受けた。自宅に戻った22日(日)、台風の中で昔と変わらず車庫にこもった。「一番落ち着くようで」(利明さん)と、親子2人でひたすらウェッジの練習に励んだ。

初タイトルを決めると、父は「本当は負けてもいいから3日目をやってほしかった。経験するべきだと思っていた」とする一方で「でもやっぱりね…。本当にうれしい。努力してきたからね」と目を細めた。

永井は「ずっと支えられてきた。お父さんは技術面や運転もしてくれる。お母さんは試合中に食べるおにぎりを作ってくれる。恩返しはまだ全然できてないから、もっともっと返さなきゃいけない」と誓った。

勝負を決めたのは、最終日中止も頭によぎった2日目の最終18番(パー5)。バーディで1打のリードを作った。降り注いだ雨の下で残り78ydから1mに距離感を合わせた3打目はウェッジショットだった。(埼玉県飯能市/林洋平)

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