症状はレベル6 河野美桜の花粉症による苦悩
沖縄県南城市の琉球GCで行われている国内女子ツアー開幕戦「ダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメント」初日。プロデビュー戦となる19歳の河野美桜(みお)が2アンダーの3位スタートを切った。
重度の花粉症を持っているツアールーキーだ。中学2年生のときに発症し、年々悪化した。スギもヒノキもアレルギーを持つ。出身は神奈川県の相模原。高校はゴルフのため山梨学院大学附属に進学した。
高校2年のときには症状の酷さから病院に行った。医師の診断は、陰性から陽性までの判定で最も症状の重い「クラス6」だった。「もしプロを目指さないのであれば、ゴルフをやめた方がいい」と言われた。一般的には吸った花粉の蓄積で発症すると言われている。山や森に囲まれているゴルフコースでのプレーは症状を悪化させると判断された。
プロになる決意を固めたのは高校3年のときに出場した「日本女子オープン」だった。13年大会は地元の相模原ゴルフクラブで開催された。友達や知人の大声援を背にアマチュア3位となる27位に入った。その声援に背中を押された。
常に前向きな性格。日本気象協会によるとスギ花粉のピークは3月。この時期には目が腫れ、鼻水も出る。耳鳴りを起こすこともあるという。薬を常備し、転戦する。それでも「鼻水が水のように流れるんですよ」と笑いながら言う。
昨年のファイナルQTで32位に入り、出場できる試合は少なくない。「次週の高知は花粉が多くて大変ですかね?」と、真剣な表情を見せたのは一瞬だけ。3月生まれで美しい桜のようになって欲しいと願いが込められて美桜とつけられた。18日には20歳を迎える。「この名前だから春が好きでしょと言われるんです。でも花粉が多いから嫌いなんですよ」と最後も冗談っぽく言った。(沖縄県南城市/林洋平)