19歳の篠原真里亜が新人戦を制す 森美穂は「78」で9位
ニューヒロインは若女将!?新人戦制した篠原真里亜の意外な素顔
ニューヒロインの誕生だ。7月のプロテストを通過した23人が争った「LPGA新人戦 加賀電子カップ」は、10日に最終ラウンドが行われ、篠原真里亜が通算7アンダーで優勝を飾った。「狙っていたタイトル。本当に嬉しいです」とプロテスト1発合格の19歳が笑顔を見せた。
首位タイで迎えた13番(パー5)、55ydからの3打目をピンそば1mに寄せ、これを沈めて単独首位に抜け出した。15番でも残り65ydの3打目を1mにピタリと寄せバーディ。最終ホールをバーディとした武尾咲希を1打差でかわし勝負を決めた。
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実家は大分県九重町で、温泉旅館「渓谷の宿 二匹の鬼」を営んでいる。人気旅館で週末は予約が取れないほどの繁盛ぶりだという。ゴルフと出会ったのは12歳のとき。家族旅行で訪れたタイで、ゴルフが趣味の祖母・美千代さん(69歳)に借りたクラブを振ったのが最初だ。師範を目指し、4歳から習い始めた日本舞踊で鍛えた体幹で、「230ydくらい飛ばしました。あの感覚が忘れられない」と、のめりこんだ。
中学は地元を離れ、福岡の名門・沖学園に進学。「私も家族も、私が実家の旅館を継いで、女将になる予定でいた」と、ゴルフはあくまで趣味と考えていた。転機は、高校進学が迫った中学3年のとき(2011年)。同年のプロテストで、同校の先輩である福田真未、福山恵梨が合格し、「(先輩たちが)一気にプロになった。監督の勧めもあり、私もなりたいと思った」と、当時を振り返った。
篠原は祖母と祖父・敦さん(61歳)とともに、キャンピングカーでツアーを転戦している。「プロになりたい」と家族に打ち明けた際、母で女将の聡美さん(47歳)から「好きにしなさい」と背中を押された。「プロで活躍したい。そしたら旅館の名前が売れる。母にできる唯一の恩返しです」と、家族の支えが大きな力となった。
この優勝で来シーズン開幕戦の切符を手にした。「しっかり調整しなきゃ」と見据えたが、少し短くなったオフには楽しみも。「手伝いが大好きなんです。配膳とかやっていましたし。(旅館を)手伝えればいいですね」。若女将・・・いや、ニューヒロインが、この日一番の笑顔を作った。(千葉県長南町/林洋平)